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デザイナーが著作権を譲渡するときのポイント|契約前に確認したい5つの注意点

ロゴやイラスト、Webデザイン、パンフレットなどの制作では、「著作権は譲渡してください」という条件で依頼を受けることがあります。

しかし、「報酬を受け取るから著作権も当然渡すもの」と考えて契約してしまうと、後から思わぬ制約やトラブルにつながることがあります。

今回は、デザイナーが著作権を譲渡する際に確認しておきたいポイントを解説します。

目次

著作権はデザイナーに発生するのが原則

デザインを制作した場合、著作物として保護されるものであれば、原則として著作権は制作したデザイナーに帰属します。

つまり、クライアントがお金を支払ってデザインを依頼したとしても、契約で定めない限り著作権まで取得できるわけではありません。成果物の納品と著作権の譲渡は別の問題です。

1. 本当に「譲渡」が必要なのか確認する

クライアントから「著作権譲渡でお願いします」と言われても、必ずしも譲渡が必要とは限りません。

例えば、

  • 自社ホームページで利用したい
  • チラシに掲載したい
  • SNS広告に利用したい

といった利用目的であれば、利用許諾(ライセンス)で十分なケースもあります。

著作権を譲渡すると、その後は自分自身が作品を利用することまで制限される場合があります。

そのため、

  • 利用許諾で対応できないか
  • 利用範囲を限定できないか

をまず検討することが重要です。

2. 譲渡する権利の範囲を確認する

著作権は一つの権利ではなく、

  • 複製権
  • 公衆送信権
  • 頒布権
  • 翻案権

など、多くの権利の集合体です。

特に注意したいのが、著作権法第27条・第28条に規定される翻案権などです。

契約書でこれらを明記していなければ、原則として譲渡されなかったものと推定されます。逆に「第27条・第28条を含むすべての著作権を譲渡する」と書かれていれば、加工や二次利用まで幅広く認めることになります。

契約書では、

  • どこまで譲渡するのか
  • 一部だけなのか全部なのか

を確認しましょう。

3. 著作者人格権にも注意する

著作権と混同されやすいのが「著作者人格権」です。

著作者人格権は、

  • 氏名表示権
  • 同一性保持権
  • 公表権

などを含みます。

この権利は譲渡できません。法律上、著作者本人だけが持ち続けます。

ただし契約書では、

「著作者人格権を行使しない」

という条項(不行使特約)が盛り込まれていることが少なくありません。

例えば、

  • ロゴの色を変更する
  • サイズを変更する
  • 一部を加工する

といった利用を予定している場合、クライアント側はこの条項を求めることがあります。

どのような改変まで認めるのかを確認しておくことが大切です。

4. 譲渡の対価は十分か

著作権を譲渡すると、その作品を将来的に自由に利用できなくなる可能性があります。

そのため、

  • 制作費
  • 著作権譲渡の対価

を区別して考えることも重要です。

企業が長期間利用するロゴやキャラクターなどでは、通常の制作費とは別に権利譲渡の対価を設定するケースもあります。

「制作費だけで著作権まで譲渡する」という契約になっていないか、一度確認してみましょう。

5. 実績として公開できるか確認する

デザイナーにとって制作実績は営業活動の大切な資産です。

しかし著作権を譲渡した場合でも、

  • ポートフォリオ掲載
  • 自身のホームページ掲載
  • SNSでの実績紹介

が自由にできるとは限りません。

秘密保持契約(NDA)がある場合や、公開時期が決まっている案件では、別途制限が設けられることがあります。

契約時に、

  • 制作実績として公開可能か
  • 公開時期
  • 表示方法

まで確認しておくと安心です。

契約書は「権利関係」を明確にするためのもの

デザイン制作では、制作物そのものよりも「誰がどのように利用できるのか」が重要になる場面が少なくありません。

契約書に曖昧な表現があると、

  • 後から追加料金を請求された
  • 思っていた利用方法ができない
  • デザイナーと依頼者で認識が違っていた

といったトラブルにつながることがあります。

著作権を譲渡する場合は、「譲渡する」「しない」だけではなく、

  • 譲渡する範囲
  • 利用できる範囲
  • 著作者人格権
  • 対価
  • 実績公開

まで含めて契約内容を確認することが大切です。

まとめ

デザイナーにとって著作権は、自身の創作活動を守る重要な権利です。

一方で、クライアント側も安心してデザインを利用したいという事情があります。

そのため、どちらか一方に有利な契約ではなく、お互いが納得できる内容を契約書で明確にしておくことが、将来のトラブル防止につながります。

著作権譲渡の契約では、契約書の文言一つで利用できる範囲や権利関係が大きく変わることがあります。不安な点がある場合は、契約締結前に専門家へ相談することをおすすめします。

大野

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