昨日の続きとして、三つの違いについて書いてみようと思います。

今回は、不正、不当、不法です。

不正
一般的には正しくないことを意味します。
そんな不正ですが、「急迫不正の侵害」などと法律に規定がなされています。
急迫不正の侵害とは侵害が違法なものであることとされています。
すなわち法に反していること。

また「不正な行為をし」(刑法197条の3第1項)とも法律に規定されることがあります。
この場合、法律に反する行為に限らず、広く職務などに違反する行為を指しています。

不当
一般的に妥当性を欠くこと、当を得ないことを意味します。
そんな不当ですが、実質的に妥当性を欠いている場合に使用されます。
法に違反していないが適切でない場合などです。
しかし、不当が違法でないことを保証するものではありません。
不当を違法と区別して用いている場合と違法を含めて用いている法律も存在します。
不当で違法であるということはありえます。

不法
不法原因給付(民法708条)などのように実質的に法に反している場合に使用されます。

まとめ
法律の規定の仕方によっては多少意味は異なってくることがあります。
 不正:法に反している場合・職務に関する義務違反などに使用されます。
 不当:法には違反していないが適切でない場合に使用されます(法に反しているとされることも有)。
 不法:実質的に法に反している場合に使用されます。

大野