契約書作成・既存契約書見直しのご相談を承っています。取引トラブルを未然に防ぐための予防法務をサポート。業務委託契約、売買契約、フランチャイズ契約など各種契約書に対応しています。オンライン相談対応。法務顧問のご相談も承ります。原則として1〜2営業日以内にご返信しております。

9月は契約書を見直すタイミング?下半期に確認しておきたい契約のポイント

9月1日になると、「今年も残り4か月か」と感じる方も多いのではないでしょうか。

会社によっては9月が上半期の区切りとなり、10月から下半期に入るところもあります。

また、年度の区切りとは関係なくても、夏の繁忙期が一段落して、これまで後回しにしていた業務を整理しやすくなる時期でもあります。

そんな9月に、一度確認しておきたいのが現在使っている契約書です。

契約書は、作成したときに問題がなければ、それで終わりというものではありません。

取引の内容が変わったり、相手との関係が変わったりすれば、契約書の内容と実際の取引との間にズレが生じることがあります。

目次

「契約書はあるから大丈夫」とは限らない

契約書を確認するとき、まず気をつけたいのが、

「契約書があるかどうか」

だけを確認して終わらせないことです。

たとえば、以前は月に数回だけ依頼していた業務が、現在では毎日のように発生している。

当初はメールで納品していたものが、現在ではオンラインシステムを利用している。

最初は一社だけとの取引だったものが、現在では複数の会社や担当者が関係するようになった。

このように、取引そのものが変化していることがあります。

ところが、契約書は何年も前に作成したものをそのまま使っている。

そうなると、契約書に書かれている内容と、実際に行われている取引が一致しなくなっている可能性があります。

契約書を見直すときには、条文だけを見るのではなく、現在の取引そのものと照らし合わせることが大切です。

9月に確認したい「契約書のズレ」

では、具体的にどこを確認すればよいのでしょうか。

契約期間は現在の取引に合っているか

契約期間や更新に関する条項は、意外と見落としやすい部分です。

「1年間の契約」として始めたものの、その後も何年も取引が続いている。

自動更新になっていることを把握していなかった。

契約終了の通知期限を確認していなかった。

こうしたケースでは、契約書を一度確認しておくだけでも、現在の契約関係を整理するきっかけになります。

報酬や料金は現在の条件と一致しているか

契約を結んだ当初から、報酬や料金が変わっていることもあります。

特に継続的な取引では、

「昔の契約書には以前の金額が書かれている」

という状態になっていることがあります。

実際の請求方法や支払条件なども含めて、現在の取引と契約書の内容が一致しているか確認してみましょう。

業務の範囲が広がっていないか

契約当初は「ここまで」と決めていた業務が、いつの間にか増えていることもあります。

たとえば、

  • 当初の業務に加えて別の作業も依頼されるようになった
  • 納品後の修正対応が増えた
  • SNSや広告など別の媒体にも対応するようになった
  • 当初想定していなかったサポートまで行っている

といったケースです。

このような場合、契約書に記載されている業務内容と、実際に行っている業務を一度照らし合わせてみる必要があります。

「契約書を直す」だけでは足りないこともある

契約書の見直しというと、

「条文を追加すればいい」

「この部分を書き換えればいい」

と考えがちです。

しかし、実際にはその前に、現在どのような取引をしているのかを整理することが重要です。

たとえば、

「業務委託契約書を修正したい」

という依頼があったとしても、

  • どこまでが委託業務なのか
  • 報酬はどのように決まるのか
  • 修正や追加作業はどう扱うのか
  • 成果物の権利は誰に帰属するのか
  • 契約終了後に何が残るのか

などを確認していくと、単純な条文修正だけでは対応できないことがあります。

契約書は、現在の取引条件を文章にしたものです。

だからこそ、契約書を見直すときには、まず「今、実際に何をしているのか」を確認することが出発点になります。

9月は「今年の契約」を一度整理してみる

9月は、1年の終わりではありません。

だからこそ、年末ほど忙しくなる前に、現在の契約関係を整理しておくのも一つの方法です。

たとえば、

  • 今年新しく契約した取引先
  • 長期間継続している取引先
  • 契約内容と実際の取引が変わったもの
  • 契約書を作らないまま続いている取引
  • AIやテンプレートを利用して作成した契約書
  • 契約書はあるものの、内容をよく確認していないもの

こうした契約を一度リストアップしてみるだけでも、見直すべき契約が見つかるかもしれません。

特に、取引開始時には想定していなかった業務が増えている場合や、契約条件が口頭やメールで変更されている場合には、契約書とのズレがないか確認しておきたいところです。

契約書は「作ったら終わり」ではない

契約書は、契約を始めるときだけ必要になるものではありません。

取引が続いていけば、仕事内容や金額、納品方法、関係する人などが変わることがあります。

その変化に契約書が追いついていなければ、契約書が存在していても、現在の取引を十分に反映していない可能性があります。

9月1日。

新しい月のスタートをきっかけに、今年ここまでの取引を一度振り返ってみる。

そして、

「今使っている契約書は、今の取引に合っているだろうか?」

と確認してみる。

それだけでも、契約書を見直すきっかけになります。

契約書の内容を確認したい場合や、現在の取引に合わせて契約書を作り直したい場合には、条文だけでなく、実際の取引内容を踏まえて整理することが大切です。

9月は、年末に慌てて契約書を確認する前に、現在の契約を一度整理してみてはいかがでしょうか。

大野

目次