請求書を出したのに支払われない場合はどうする?適切な対処法を解説
請求書は、代金を請求するための重要な書類ですが、請求書を発行したからといって必ず支払いが行われるとは限りません。特にフリーランスや中小企業では、「請求書を送ったのに入金されない」「連絡しても返事がない」というトラブルに直面することがあります。
今回は、請求書を発行したにもかかわらず支払われない場合に、どのような対応を取るべきかについて解説します。
請求書を出しただけでは強制的に支払わせることはできない
まず理解しておきたいのは、請求書自体には強制執行力はありません。
請求書は、
- 「○○円支払ってください」
- 「支払期限は○月○日です」
という意思表示に過ぎず、請求書を発行しただけで相手の財産を差し押さえたり、銀行口座から代金を回収したりすることはできません。
そのため、支払いがない場合には、別途法的な手続を検討する必要があります。
まずは契約内容を確認する
支払われない理由が相手方の単なる失念なのか、それとも契約内容について争いがあるのかを確認しましょう。
例えば、
- 契約書
- 発注書
- 注文メール
- チャットのやり取り
- 見積書
- 納品書
などを確認し、
- 何を依頼されたのか
- いくらで契約したのか
- 納品したのか
- 支払期限はいつか
を整理します。
契約書がなくても契約は成立する場合がありますが、証拠が多いほど請求はしやすくなります。
支払期限を過ぎているか確認する
請求書を送っても、まだ支払期限前であれば相手は支払義務を履行していないだけです。
例えば、
- 月末締め翌月末払い
- 納品後60日払い
など、契約によって支払時期は異なります。
まずは契約上の支払期限を確認しましょう。
催促をする
期限を過ぎても支払いがない場合は、まず催促を行います。
電話やメールで、
- 入金状況の確認
- 支払予定日の確認
を行いましょう。
単なる経理処理の遅れであるケースも少なくありません。
催促をする際は感情的にならず、
「○月○日支払予定の請求書について、入金を確認できておりません。」
というように事実を伝えることが大切です。
内容証明郵便を送る
催促しても反応がない場合には、内容証明郵便による請求を検討します。
内容証明郵便とは、
「いつ、誰が、どのような内容の文書を送ったか」
を郵便局が証明してくれる制度です。
法的拘束力そのものはありませんが、
- 本気で回収する意思を示せる
- 裁判になった際の証拠になる
という意味があります。
遅延損害金を請求できる場合もある
相手が支払期限を過ぎても支払わない場合、契約内容によっては遅延損害金を請求できることがあります。
契約書に遅延損害金の定めがある場合はその内容に従い、定めがない場合でも、法律上認められる範囲で請求できる場合があります。
もっとも、遅延損害金の有無や利率は契約内容や当事者の関係によって異なるため、個別の確認が必要です。
裁判を検討する
話し合いでも解決しない場合には、裁判所の手続を利用することになります。
代表的なものとして、
- 支払督促
- 少額訴訟
- 通常訴訟
があります。
支払督促
相手が争わないのであれば、比較的簡易な手続で債権回収を目指すことができます。
ただし、相手が異議を申し立てると通常訴訟へ移行します。
少額訴訟
60万円以下の金銭請求で利用できる制度です。
原則として1回の審理で判決が言い渡されるため、比較的迅速な解決が期待できます。
通常訴訟
金額に制限はありません。
契約内容や証拠を基に裁判所が判断します。
契約書があると回収しやすい
請求書だけしかない場合でも請求できる可能性はありますが、契約書がある方が有利になることが少なくありません。
例えば契約書には、
- 支払期限
- 支払方法
- 遅延損害金
- 所有権の帰属
- 管轄裁判所
などを定めることができます。
これらが明確になっていると、後々の紛争を防ぎやすくなります。
請求書だけでは証拠として十分とは限らない
請求書は「請求した」という証拠にはなりますが、
- 契約が成立していたこと
- 実際に業務を行ったこと
- 納品したこと
まで証明できるとは限りません。
そのため、
- 契約書
- 発注書
- メール
- LINEやチャット
- 納品記録
- 作業記録
などを日頃から保存しておくことが重要です。
行政書士がお手伝いできること
行政書士は、相手方との代理交渉や訴訟代理を行うことはできませんが、契約トラブルを未然に防ぐためのサポートや、証拠整理・書面作成などを通じて事業者を支援することができます。
例えば、
- 契約書の作成・確認サポート
- 債権回収を見据えた契約条項の整備
- 内容証明郵便(行政書士が取り扱える範囲での文案作成)
- 取引記録・証拠資料の整理
- 必要に応じた弁護士等の専門家との連携
などの予防法務が考えられます。
まとめ
請求書を発行したにもかかわらず支払いがない場合は、まず契約内容や支払期限を確認し、冷静に催促を行うことが大切です。
それでも解決しない場合には、内容証明郵便や裁判所の手続を検討することになります。
また、将来のトラブルを防ぐためには、「請求書を発行すること」だけでなく、「契約書を作成し、取引の証拠を適切に残しておくこと」が重要です。
南本町行政書士事務所では、契約書の作成・確認サポートをはじめ、取引先との契約リスクを軽減するための法務サポートを行っております。継続的な取引に不安を感じている事業者様は、お気軽にご相談ください。
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感情や立場の違いが関わる問題は、早めに整理しておくことで 将来のトラブルを防げる場合があります。
大野