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温泉施設って水道代やガス代はかかっている?実は「温泉だから無料」ではありません

温泉に入っていると、ふとこんな疑問を持ったことはありませんか?

「温泉って地下から湧いてくるんだから、水道代はかからないの?」

「お湯を沸かす必要がないなら、ガス代もほとんどかからないのでは?」

確かに、源泉から温泉が自然に湧き出している施設であれば、家庭のお風呂のように水道から大量のお湯を出して、ガスで一から沸かしているわけではありません。

しかし、だからといって温泉施設の水道代やガス代、電気代がゼロになるわけではありません。

むしろ、温泉施設では「大量のお湯を扱う」からこそ、さまざまなコストが発生しています。

目次

温泉施設でも水道代はかかる

まず、水道代です。

温泉施設だからといって、施設内で使う水がすべて温泉水というわけではありません。

例えば、

  • 洗い場のシャワー
  • 手洗い
  • トイレ
  • 清掃
  • 浴槽への加水
  • 飲食店
  • 厨房
  • その他の施設設備

など、多くの場所で水が必要になります。

特に大きな温浴施設になると、浴場だけでなく、休憩スペースや飲食店なども併設されています。

そのため、「温泉施設=水道をほとんど使わない」というわけではありません。

また、浴槽についても、施設によって温泉の利用方法はさまざまです。

環境省によれば、温泉を公共の浴用に利用する場合、加水・加温・循環・ろ過・消毒などを行っているかどうかについて、利用者に表示する仕組みがあります。

つまり、浴槽のお湯が必ずしも「源泉から出てきたものを、そのまま大量に流している」というわけではありません。

「源泉かけ流し」なら水道代は安い?

ここで気になるのが、いわゆる「源泉かけ流し」です。

源泉かけ流しの場合、基本的には源泉から供給される温泉を浴槽に入れ、浴槽からあふれたお湯を排出する方式です。

そのため、循環式の施設とはお湯の使い方が異なります。

ただし、だからといって「水道代がまったくかからない」とは限りません。

施設によっては温度調整などのために加水することもありますし、浴場以外でも大量の水を使用します。

また、浴槽を清掃するときにも水を使います。

つまり、

「温泉水を使っている」ことと「水道水を使わない」ことは別の話

なのです。

では、ガス代はどうなの?

次に気になるのがガス代です。

「温泉なら、そもそもお湯を沸かす必要がないのだから、ガス代はかからないのでは?」

と思うかもしれません。

これは施設によって大きく異なります。

ポイントになるのが、源泉の温度です。

例えば、源泉が非常に高温で、そのままでは入浴できない場合には、温度を下げる必要があります。

逆に、源泉の温度が低ければ、入浴に適した温度まで温めなければなりません。

環境省も、源泉の湧出温度が低い場合などには、温泉水を加温して利用することがあるとしています。

つまり、

温泉=必ず加熱不要

ではありません。

源泉の温度や施設の設備によっては、ボイラーなどを使って温泉を加温している場合があります。

この場合には、当然ながら燃料費が発生します。

温泉でも「追い焚き」のような設備が必要になることも

さらに、温泉施設では「浴槽のお湯を適温に保つ」という問題があります。

例えば営業時間が長い施設では、朝にお湯を入れて終わり、というわけにはいきません。

多くの利用者が入浴すれば、浴槽のお湯の温度も変化します。

そこで、施設によっては、

  • 加温
  • 循環
  • ろ過
  • 温度管理
  • 消毒

などを行います。

特に循環ろ過式の浴槽では、浴槽のお湯を循環させながら温度や水質を管理します。

環境省も、温泉を循環させて利用する場合や、ろ過を行う場合について、その旨や理由を表示することを求めています。

そのため、温泉施設では「源泉があるから何もしなくても温泉が完成する」というわけではありません。

実は電気代もかなり重要

温泉施設について考えるとき、水道代やガス代に目が行きがちですが、実際には電気も重要です。

例えば、

  • 温泉をくみ上げるポンプ
  • 循環ポンプ
  • ろ過装置
  • 換気設備
  • 照明
  • エアコン
  • 給湯設備
  • 冷蔵庫などの厨房設備
  • 自動販売機
  • ドライヤー
  • 施設内のその他の設備

などがあります。

特に大規模な温浴施設になると、浴場だけでなく建物全体を維持するためのエネルギーが必要になります。

「温泉だから光熱費が安い」と単純には言えないのです。

「温泉だから無料」というわけではない

ここまでを整理すると、温泉施設には次のような費用が発生します。

項目主な用途
水道代シャワー、清掃、トイレ、加水など
ガス・燃料代温泉の加温、給湯など
電気代ポンプ、循環、ろ過、照明、空調など
温泉に関する費用掘削・設備・維持管理など
排水関連の費用使用した温泉や水の排水など

もちろん、すべての施設が同じ設備を使っているわけではありません。

源泉の温度や湧出量、浴槽の大きさ、営業時間、利用者数、循環方式などによって、必要なエネルギーや水の量は大きく変わります。

それでも「温泉」は大きなメリット

では、温泉施設は「普通のお風呂よりも光熱費が高くて大変なのか」というと、それも単純には言えません。

温泉施設には、地下から得られる温泉という大きな資源があります。

特に源泉の温度が入浴に適していれば、加温に必要なエネルギーを抑えられる可能性があります。

一方で、温度が低い源泉なら加温が必要ですし、温泉の成分によっては設備の維持管理にも注意が必要になります。

つまり、

「温泉がある=光熱費がゼロ」ではなく、「温泉という資源を利用しながら、施設に必要な水・熱・電気を組み合わせて運営している」

と考えると分かりやすいでしょう。

温泉施設の「温泉表示」を見てみよう

実は、温泉施設に行ったときには、こうした違いを確認する方法があります。

温泉施設では、温泉の成分などのほか、

  • 加水しているか
  • 加温しているか
  • 循環しているか
  • ろ過しているか
  • 入浴剤を使用しているか
  • 消毒を行っているか

などについて表示されています。

今度温泉に行ったときには、浴場の入口などにある「温泉分析書」や温泉の利用方法に関する表示を少し見てみると面白いかもしれません。

「この温泉は加温しているんだ」

「循環ろ過式なんだ」

と分かると、いつも何気なく入っている温泉の裏側が少し見えてきます。

まとめ

温泉施設だからといって、水道代やガス代がかからないわけではありません。

源泉を利用していても、施設内ではシャワーや清掃、トイレなどで水を使います。

また、源泉の温度によっては加温が必要となり、ガスなどの燃料を使うこともあります。

さらに、ポンプや循環設備、ろ過装置、空調などには電気が必要です。

温泉施設は、

「地下からお湯が出てくるだけ」

ではなく、

「温泉という資源を、さまざまな設備を使って安全かつ快適に利用できる状態にしている施設」

なのです。

次に温泉へ行ったときは、ぜひ「このお湯はどうやってここまで来ているんだろう?」と考えてみてください。

普段何気なく入っている温泉にも、実はたくさんの設備とコストが隠れています。

大野

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