過失とは不注意、つまり注意義務に違反することです。

これは状況や立場により求められる程度は異なります。例えば、原発で働いている人が何かのスイッチを切り忘れて、放射能が漏れたようなケースでは、その立場の人であれば誰でもわかるスイッチを切るということをうっかりしなかったのなら過失となります。

もっとも、たとえ可能な限り注意を払ったとしても結果発生が避けられなかった場合にまで過失犯とすることは無理を要求することになり妥当ではありません。

そうであれば、単に結果の発生を予見できたか否かではなく、結果を発生するため必要かつ適切な行動をとったか否かによって過失を判断すべきです。そこで過失というのは行動の予見可能性を前提とした結果回避義務違反と考えます。

行政書士 西本