会社を設立しようとした際、必ず聞く用語が「定款」です。
会社設立には定款が必須となります。
会社法を勉強したことがある方であれば、定款という言葉はどこかで聞いた覚えがあるかもしれませんが、そうでない方であれば何なのかわからないかと思います。
では、定款とは何か。
定款とは会社のルール
定款とは、法人の基本規約・規則そのものであり(実質的意義の定款)、その内容を紙や電子媒体に記録したもの(形式的意義の定款)です。
簡単に言うと、会社の決め事(ルール)そのものが定款であり、その内容が記録されているものが定款ということです。
- 会社の名前をどうするのか
- 所在地はどこにするのか
- どんなことを生業とするのか
などを決め、内容を記録しておかなければなりません。
定款に何でも書いてよいわけではなく、定款に記載する内容については、会社法に規定が設けられています。
なぜ定款が必要なのか
会社を設立する場合、定款が必要とされています。
なぜ必要なのか。
それは、会社に法人格を付与させるためです。
そのための手続きとして、定款が必要となるのです。
まず1つが、「定款の認証」手続きです。
定款に会社法の規定されている事項が記載されているのかどうかを、公証人(公証役場)にチェックしてもらうという手続きがあります。
これをクリアして手続きを進めるためには、定款が必要となります。(定款に効力を生じさせるため)
なお、定款の認証手続きは株式会社を設立する場合のみです。
次に、「設立登記」手続きです。
会社の設立を完了させるためには、設立登記が必要となります。
設立登記は法務局で行うのですが、提出書類に定款が含まれており、この手続きをクリアするためには、定款が必要となります。(会社に法人格を付与させるため)
定款の記載事項
定款に記載する内容については、会社法に規定があります。
- 絶対的記載事項(会社法第27条) 定款に必ず記載しなければならないものです
・会社の目的(どんなことを生業とするのか)
・会社の商号(会社の名前)
・会社の本店所在地
・設立に際して出資される財産の価額またはその最低額(資本金の額)
・発起人の氏名また名称および住所(会社設立に関する責任者の名前と住所) - 相対的記載事項(会社法第28条) 定款に記載することで効力が生じるものです
・現物出資
→会社設立にあたって金銭ではなく、モノで出資をすることです。
・財産引受
→会社設立にあたって発起人が会社が成立することを前提として、売買契約をすることです。
・発起人の報酬、特別利益
・設立費用 - 任意的記載事項(会社法第29条) 定款に記載しても/しなくてもよいものです
・事業年度
・役員の数
・役員の報酬に関する事項
・株主総会に関する事項
定款作成の意義
定款とは何か、についてみてきました。
定款とは会社のルール、会社設立(会社に法人格を付与させる)のために必要なもの、ということができます。
ただ、定款の意義はそれだけではありません。
会社を設立するということは、未来を想定しての行動となります。
会社を起業して何をするのか、という将来を考えるきっかけとなりますし、設立後の会社の為に何が必要か、という行動を考えるきっかけになります。
また、設立中の会社ということで、経営基盤がそれほど強くありません。
にもかかわらず、株主・取引先・役員、従業員など会社設立には多くの人が関係します。
やっぱやーめた、とは簡単にはできません。
万が一そうなったとしても、責任を取る者を決める、金銭トラブルの責任者を決めておく、というのも定款の存在意義となります。
さらに、利益が出た場合に揉め事が起きないよう、出資額を決めたり、誰に何株持たせるのか/配当をどうするのか、決めておくことも定款の存在意義の一つとなります。
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