何かを先に実行に移した者が有利なことを意味する、「やったもん勝ち」。

先に実行に移されているので二番煎じでは先駆者に追いつくことは難しい。
正攻法で行われている場合には、先に手を打たれたとして悔しくはあるものの負けを認めざるを得ない。

しかし、やってはいけないことをしている場合にはどうであろうか。

日本は法治国家である。
基本的には自由であるが、行為が制限されている場合がある。
何かを世の中に訴えたいと考え、デモ行進をしたい、集会を開催したいと思ったとしても場合によっては「許可」を受けなければならない場合がある。
土地や道路を占有する場合にも「許可」が必要な場合がある。

許可を受けていない場合、排除するためにも、ときとして「手続き」を経る必要がある場合がある。
そのため、違法行為者に対して抗議をしたとしても、行政(警察)は簡単に動いてはくれない。
中には違法行為者を守っているかにも思える対応をされる場合がある。すなわち、抗議者の方が「悪」と受け取られないような対応をされることがある。

その場しのぎの対応をされることがほとんどである。
その後、行政が動いてくれるのであればいいのだが、動かないことがほとんどである。
日本人特有の「事なかれ主義」である。

ある状態が常態化することは簡単であるが、常態化したものを原状に戻すことは難しい。
常態化する前に手を打つことが様々な問題を解決する最善の策である。

法治国家においては手続きを履践することが求められ、時間はかかるがその作業は怠ってはいけない。

正攻法ではないやったもん勝ちを許す社会は無秩序への道である。

大野