正社員と契約社員(有期雇用・無期雇用)雇用者のメリットデメリット
正社員と契約社員(有期雇用・無期雇用)
雇用する側から見たメリット・デメリット
人を雇うとき、会社は大きく分けて次のような雇用形態を選ぶことになります。
- 正社員(期間の定めなし)
- 契約社員(有期雇用)
- 契約社員(無期転換後の無期雇用)
ここでは雇用者側(会社側)の視点で、それぞれのメリットとデメリットを整理します。
① 正社員(期間の定めのない雇用)
正社員のメリット
1 長期的に人材を育成できる
正社員は長く働く前提なので、
- 技術
- ノウハウ
- 顧客関係
を会社の資産として蓄積できます。
会社の「中核人材」を作るには正社員が必要です。
2 責任ある仕事を任せやすい
正社員は
- 異動
- 昇進
- 役職
などを前提にしているため、
会社の中心業務を任せやすいという特徴があります。
3 組織としての安定
正社員中心の組織は
- 社内文化
- ノウハウ
- 組織力
が蓄積されやすく、会社の安定につながります。
正社員のデメリット
1 解雇が非常に難しい
日本の労働法では
正社員の解雇はかなり厳しく制限されています。
いわゆる
解雇権濫用法理
です。
簡単に言えば
- 能力不足
- 経営上の理由
だけでは解雇できないケースも多くあります。
2 人件費が固定化する
正社員は通常
- 賞与
- 昇給
- 退職金
- 社会保険
などを前提とするため、
会社にとっては固定費になります。
3 人員調整が難しい
景気が悪くなった場合でも
- 簡単に契約終了できない
- 配置転換などで対応するしかない
という問題があります。
② 契約社員(有期雇用)
期間を定めて雇う形です。
例
1年契約
6か月契約など。
契約社員(有期雇用)のメリット
1 人員調整がしやすい
契約期間が満了すれば
契約更新しない
という形で雇用を終了できます。
正社員より柔軟な人員管理が可能です。
2 特定業務に向いている
例えば
- プロジェクト
- 繁忙期
- 専門業務
など、
期間が限定される業務に向いています。
3 コストをコントロールしやすい
正社員より
- 賞与
- 退職金
- 福利厚生
などを限定できるケースが多く、
人件費を抑えやすい傾向があります。
契約社員(有期雇用)のデメリット
1 人材が定着しにくい
契約社員は
- 将来が不安定
- キャリアが限定的
なため、
長期的に定着しにくい傾向があります。
2 重要業務を任せにくい
契約期間があるため
- 機密性の高い仕事
- 中長期プロジェクト
などは任せにくい場合があります。
3 5年ルール(無期転換)がある
日本では
同一の労働者を5年超雇用すると
本人の申し込みにより
無期雇用に転換
されます。
これを
無期転換ルール
といいます。
③ 契約社員(無期転換後の無期雇用)
有期契約を繰り返した結果、
無期契約に転換された契約社員
です。
契約社員(無期転換後の無期雇用)のメリット
1 長期雇用が可能
契約期間を気にせず働いてもらえるため
人材が安定します。
2 正社員より制度を柔軟に設計できる
企業によっては
- 職務限定
- 勤務地限定
- 昇進なし
などの制度にすることもあります。
契約社員(無期転換後の無期雇用)デメリット
1 基本的には解雇が難しくなる
無期雇用なので
正社員と同様に
解雇規制がかかります。
2 制度設計を誤るとトラブルになる
例えば
- 正社員との待遇差
- 賃金格差
などは
同一労働同一賃金
の問題になります。
まとめ
| 雇用形態 | 会社のメリット | 会社のデメリット |
|---|---|---|
| 正社員 | 組織が安定・人材育成 | 解雇困難・固定費増 |
| 契約社員(有期) | 人員調整が容易 | 定着しにくい |
| 契約社員(無期) | 長期雇用可能 | 解雇規制 |
最後に
雇用形態は
「どちらが良いか」ではなく
- 会社の事業内容
- 人材戦略
- 業務内容
によって選ぶものです。
例えば
- コア人材 → 正社員
- プロジェクト → 契約社員
という組み合わせが多くの企業で採用されています。
関連するサポート
感情や立場の違いが関わる問題は、早めに整理しておくことで 将来のトラブルを防げる場合があります。
北島