人は前方しか見れません。
ある程度、横を見ることができますが、首や顔を向けなければ難しいものです。
後ろを見ることはできません。
気配を感じることはできますが、目で確認できるものではありません。

なぜ、いきなりこんな話をしたのかというと、街を歩いているとき、前の人がもたついているとき「寄ってくれれば助かるな」と思うことはないでしょうか。
ただ歩いているときはそうでもないのですが、急いでいるとはそう思うことが多々と思います。

「寄ってくれれば助かるな」と思うのは、その対象者の後ろにいる自分ですが、対象者は自分の前にいることから、自分を認識していません。
となると、目で確認していないことから、「寄る」という行動を起こそうにも認識をしていない以上できないのです。

認識をしていないことを行動に移すことは大変難しいことで、対象者の後ろにいる自分としては簡単なことだろうと思うのですが、それは対象者を認識していることから思えることで、逆に自分が対象者となった途端、行動に移すことができなくなります。

自分から対象者を見ていた場合には、「寄ってくれれば助かるのに」
自分が対象者となっていた場合には、「邪魔だったのなら、抜いてくれればいいのに」と自分目線で物事を考えがちです。

人間が見える範囲は限られています。
日頃から周りをよく見て行動していたとしても、限界があります。
何かを相手に求めるばかりでなく、まずは自分がなすべきことをすればギクシャクせずに済むのではないかなと目線から説いてみた次第です。

大野