コンプライアンス(法令遵守)が企業に求められるのは当然のことですが、特にここ10年でその態様は大きく変化しました。

企業が存続していくためには、顧客のことだけ考えていればいいわけではありません。企業の存続は株主への利益還元に集約されますが、そのためにはそこで働く従業員及びその家族の幸福のことも考える必要があります。

それには、経営面(生産管理や、人事、マーケティング、営業、広告等)と労務、税務面は必須ですが、それ以上にリスクマネジメントが重要になります。

 営業行為をしていると様々なリスクがあります。当事務所では、リスク管理において、特に重視している3点の企業リスクに対して予めシステムの構築をしこれを依頼企業様と共有し、活用していただくことで企業様のリスクを軽減し経営に注力して頂くことができます。

1,商品から不具合が出た場合の処理

→PL法回避。PL法(製造物責任法)においては、製造物の欠陥により人の生命、身体又は財産に係る被害が生じた場合における製造業者等の損害賠償の責任について規定しています。つまりある製造物から被害が出た場合には原則として、製造業者がその賠償をすることになっています。もちろんいつでもこの賠償をしなければならないのであれば、安心して商品開発ができません。そこで法4条で免責事由が規定されています。この免責事由は主に二つです。

⑴製造物の引き渡し時点における科学又は技術に関する知見によってはそのような損害が発生することがわからなかったこと

⑵その商品が他の製造物の部品、原材料として使用された場合、その損害発生は主に当該他の製造物の製造業者が行った設計に関する指示に従ったことにより生じたことかつ、その欠陥が生じたことにつき過失がないこと

つまり製造業者が製造して引き渡す段階では損害の発生が科学的に考えてわからなかったと言える事情を集めておくことです。

これをリストにして、相手方に確認しておくべき行為については署名をしてもらうことで、ある一定のラインについてはこちらは確認しましたよ、ということの証明が容易になります。

また、別の製造物の部品にされた場合にはその製造物の管理をしている人の指示で部品にして、生じた欠陥については全く分からなかったことが証明されなければなりませんから、これについてあらかじめ指示に従ったということと、その製造物の欠陥について調べるだけ調べたこと、与えられた情報は何でどこまであったのかということをリスト化しておき証明してもらうなどです。

これによって絶対に責任を負わないとはならないかもしれません。仮に製造物から何らかの被害が出てしまえば保険ではカバーできない甚大な被害が生じるだけでなく、御社のブランドの毀損にもなり得る事態になります。そこで最悪を想定して予め打てる手を打っておけば仮に後から裁判になっても免責に向けて出せる証拠があることになります。

2,従業員、役員の不法行為に対する使用者責任の回避、軽減事由の設定

→ある事業のために他人を使用する者であれば、個人事業主であっても被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負います(使用者責任、民法715条)。

株式会社であれば、役員等の責任が別途規定されています(会社法423条1項、429条1項)。

民法上であれば、使用者責任の回避の方法は、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときと証明することです。

これについては、業種によって管理監督の程度や種類は様々です。ただ少なくともその管理監督をしたこと、例えば、会社内での役割、危険な機材があるのであればこれの使用方法をきちんと説明し、使用できるまで面倒をみた、また定期的に確認していることの証明をするなどです。

特に機材であれば、使用法を細かく順を追ってリスト化し、被用者が確認し使用できるようになったのであればそのチェックをもらっておく、使用者が定期的に被用者が使用できているかの確認をするなどで随分事故が起こった時の免責の証明はしやすくなります。

3,従業員の不満から来る業務怠慢の改善

→人間関係が職場退職の理由で一番にあげられます。そこで定期的に従業員の要望を確認すること、また確認が難しいのであれば、不満のリストを構築しておいてこれを第三者に定期的に確認してもらいます。この時は匿名でのアンケートが取れるような仕組みが望ましいでしょうこれを、経営者、役員に上げ対策を迅速にすることで怠慢リスクを減らすことにつながります。

リスクマネジメントのご依頼の流れ

1,企業顧問の形式をとらせていただきます。現状どのようなことでお困りかわかる場合には入念なヒアリングをします。ここで現状の問題点と将来起こりうる企業リスクを提示します。

2,1を元にして必要なリスク回避のシステムの構築をします。定期的に従業員への面談が必要な場合にはその頻度、内容を決定します。PL法回避、使用者責任の回避が必要な場合には免責事由のリストを作成します。

3,科学的な水準の知見が必要な場合には第三者に依頼し現在の科学水準で避けることができる損害、避けることが難しい損害、避けることが不可能なまたは著しく難しい損害とに分けその証明をしてもらいます。