事業譲渡をお考えの方

ビジネスは上手くいっている時、うまくいかなくなっている時があります。
事業譲渡、承継、事業再生を考えることはあっても、実行に移すのを躊躇してしまう。

  1. 後継者がおらず、今後事業をどのように展開、維持、承継していけばよいか
  2. M&A、事業承継に興味があるが、どのように活用していけばよいかわからない
  3. 他社の経営資源を引き継ぎ、事業を拡大させたいと考えている
  4. それらの手続きがわからない

それではせっかくのチャンスを逃してしまうかもしれません。

OO会社がOOの買収に向けて動いているようです、というニュースをよく聞きますよね。買収されるもののすべてが採算事業とは限りません。

不採算事業であっても、買収側には必要な事業であることも大いにあります。
経営主体が変わったことによって採算事業に生まれ変わったという事例もあります。

不採算部門に限らず、採算が取れている事業の売却も盛んにおこなわれています。

企業体そのものを売却、承継することはもちろんありますが、事業の一部であっても資産ですので売却することが可能です。

最近では、サイト・ドメインのみの売却、スキームのみの売却を行うという手法で成熟したある特定の事業(資産)の売却が進んでいます。

中小企業であっても積極的に行われています。

そんな事業譲渡・承継、事業再生が盛んななか、当事務所では、バイアウトのための契約手続き、行政許認可の手続きを代行いたします。

事業譲渡は相手方と契約を締結して行いますので、契約の時期・売却の時期、売却する価格、入金(支払い)の時期がずれた場合の利益・損失の配分方法、名義変更時期など契約(契約書)で検討するべき事項は多岐にわたります。

事業譲渡でできること、できないこと、行うべき手続き(株主総会決議・許認可申請・)、事業譲渡を利用するリスク(従業員の流失・税金などの支払い関係)、相手方との関係などをきちんと理解したうえで事業譲渡を行うことが重要です。

当事務所ではそれらに対するアドバイス、代行手続きも行っておりますのでお気軽にお問い合わせください。

後継者引継ぎ事業も

方を人がなくなった際は、相続が開始されます。
相続は、被相続人の財産を相続人に分配するものです。

会社の場合、承継者は身内でなくてもよいので、これからも継続できる会社・まだノウハウをやりつくしていない企業・組織であれば信頼できる後継者さえいれば何とかなるということは少なくありません。

事業譲渡をせず、財産の承継という複雑な形を採らずとも、御社が信頼できる方が御社でノウハウを学び立派な後継者として育つとするならば、御社のご家族も守られ、そこに新たな仕事ややりがいも生まれることになります。

日本は現在ちょっとした起業ブームでありますが、もちろん企業は素晴らしいです。
しかし、現代において目標や夢を叶える方法は複数あるということも考慮していただきたく思います。

当事務所では企業法務案件のご依頼が多く、経営者様の疑問の解消などに当たっていますが、後継者がおらず事業を廃業しようとする方もいらっしゃいます。

そのような方と接してみて、何とか力になれないかと考えて日々業務をこなしています。

後継者不在を理由として事業を廃業しようと考えている方からのご連絡もお待ちしております。

事業譲渡とは何か

事業譲渡とは、会社(譲渡会社)で行っているある事業(OO部門など)の全部または一部を事業譲渡契約を締結して他(譲受会社)に譲渡することです。

会社では様々な事業を行っていますから、例えば、ゲーム事業とカメラ事業を有している会社でカメラ事業が不採算事業として撤退を考えていた際に、譲受会社にカメラ事業を売却する場合が事業譲渡となります。

事業譲渡において知っておくべき情報は何でしょう。

  1. 事業譲渡のメリット、デメリット
  2. 事業譲渡の手続き

株式譲渡との違い

株式譲渡と事業譲渡はどちらも売買(取引行為)をしているという点では同じです。
その対象としているものが異なります。

  1. 株式譲渡
    自社の株式を譲渡するため、会社(組織)全体を売買の対象(過半数の株式を譲り渡すことで、会社の経営権が移転)とします
    自社の株式を譲渡するということは、主体としてはオーナーが行うが主体となって行います。
  2. 事業譲渡
    会社のある事業(OO部門とそれに付随する資産)を売買の対象とします
    ある事業を譲渡することになりますので、主体は会社(企業・法人)ということになります。

会社分割

事業譲渡と似たような制度としては、会社分割があげられます。

会社分割は会社の特定の事業の権利・義務の全部または一部を別の会社へ承継させるために、1つの会社(分割会社)を2つ以上に分割するというものです。

会社分割の方法は2種類あります。

  1. 吸収分割(既存の会社に事業を吸収、承継させる)
  2. 新設分割(新たに設立した会社に事業を承継させる)

事業譲渡は特定の事業を個別に取引する売買行為です。
会社分割は特定の事業を分割して包括的に承継するものです。

事業譲渡メリット/デメリット

ある事業を譲り渡す事業譲渡ですが、そのメリットとデメリットは何なのでしょうか。
事業譲渡の特徴をご紹介します。

事業譲渡のメリット

①個別譲渡が可能
☆売り手(譲渡会社)側のメリット
事業の単位で売買・譲渡が可能であるから、採算が取れる事業を残しつつ(会社を残しつつ)、不採算事業のみを譲渡することができます。
採算事業があるにもかかわらず不採算事業を抱えていることで経営を圧迫する可能性があります。これを会社から切り離すことで、経営の健全化が図れます。

★買い手(譲受会社)側のメリット
売り手にとって不採算事業であっても、買い手にとっては新たな事業、規模拡大の為に必要な事業かもしれません。
買い手にとっては、必要な事業のみを譲り受けることができるというメリットがあります。

②譲渡金が得られる
☆売り手(譲渡会社)側のメリット
事業を売却することになるため、その対価(資金)を得ることができます。
会社分割では、原則として対価は株式となります。

★買い手(譲受会社)側のメリット
事業取得のために対価を支払うことにはなるが、必要な事業のみを譲り受けることができるため、不要な事業(資産)や負債(簿外債務)を譲り受けるリスクが低くなります。

②後継者問題が解消
☆双方にメリット
後継者不在のため、事業を存続させるか・たたむか頭を悩まされている経営者には、ある事業のみを第三者に譲渡し、負担の少ない事業は残し、働き続けることも可能となります。

事業譲渡のデメリット

①手続きが複雑、面倒
☆双方のデメリット
事業譲渡はある特定の事業のみを譲渡される(個別承継)という契約を結んで行うことから、それに付随するもの(契約や許認可、従業員の雇用契約)は承継されませんので注意が必要です。
承継させるためには、それぞれ個別に手続きをしなければなりません。

譲渡会社が締結していた契約を結びなおしてもらうようお願いをしたり、許認可を再度取得する、従業員の同意を得る(労働契約が引き継がれないため、従業員に引き続き働いてもらうためには移籍することへの同意が必要です)等、一つ一つ行わなければならないことから、時間と手間が非常にかかります。

②競業避止義務が生じる
☆売り手(譲渡会社)側のデメリット
当事者間で特約を結ばない限り、譲渡会社は事業譲渡後、20年間は同一の事業を行うことができなくなります(会社法21条)。

事業譲渡の手続き

事業譲渡をする際の手続きの概要をご紹介します。

①事業譲渡を行うかの判断をする
取締役会設置会社では、取締役会の決議により事業譲渡を決定します(会社法362条第4項第1号)。
取締役会非設置会社では、2人以上の取締役がいる場合、取締役の過半数をもって事業譲渡を決定します(会社法348条第1項2項)。

②事業譲渡契約を締結
事業譲渡決定した場合、譲渡会社と譲受会社の間で事業譲渡契約を締結します。

③株主総会決議の実施(株主の承認)
事業譲渡の内容によっては(下記のケースの場合)、事業譲渡の効力が発生する日の前日までに株主総会の特別決議が必要となります(会社法467条第1項・309条第2項第11号)。

  1. 譲渡会社で株主総会が必要となる場合
    ・事業の全部を譲渡する場合
    ・事業の重要な一部を譲渡する場合
  2. 譲受会社で株主総会が必要となる場合
    ・他の会社の事業の全部を譲り受ける場合

簡易事業譲受、略式事業譲渡等に該当する場合には、株主総会決議は不要となります(会社法468条)。

④事業開始のために必要な手続きを行う
事業を承継できたとしても、上記の通り、譲受会社に事業に付随するものは承継されませんから、必要な手続きを行う必要があります。
例えば、許認可が必要な事業を譲り受けた場合には、事業を開始するためには許認可を再取得しなければなりません。

また、承継された資産(不動産など)については名義変更をすることも必要となります。

簡易事業譲受

簡易事業譲受とは何か、解説します。

他の会社の事業の全部の譲受の場合において、株主総会が不要となる場合があります。

それは、事業の譲受の取得対価と交付する財産の帳簿価額の合計額が譲受会社の純資産額の20%以下である場合、です(会社法468条第2項)。

略式事業譲渡等

略式事業譲渡等とは何か、解説します。

事業の全部もしくは重要な一部の譲渡または事業の全部の譲受において、株主総会が不要となる場合があります。

それは事業譲渡にかかる契約の相手方が当該事業譲渡・譲受(事業譲渡等)をする株式会社の特別支配会社である場合、です(会社法468条第1項)

特別支配会社とは、事業譲渡等を行う会社の議決権の90%を保有している会社(株主であること)のことを指します。

譲渡会社の債権・債務はどうなるか

事業譲渡では、譲渡会社の債権債務の権利義務関係は譲受会社に自動的には承継されません。

譲受会社に承継させると事業譲渡契約で定めた場合には、それぞれ取引先に対して手続きを踏む必要があります。

  1. 譲渡会社の債権を譲受会社が承継する場合
    譲受会社への債権譲渡契約をしなければなりません。
    債権譲渡を第三者に主張するためには、対抗要件(通知、承諾)の具備が必要となります(譲渡会社が債務者に対して行う必要があります)。
  2. 譲渡会社の債務を譲受会社が引き継ぐ場合
    譲受会社が譲渡会社の債務を免責的に引き受ける(免責的債務引受契約:譲渡会社の債務負担がなくなります)場合には、債権者の承諾が必要となります。
    もっとも、重畳的債務引受の場合には、債権者に不利にはなりませんから(譲渡会社と譲受会社が債務を負担してくれることになるため)、譲渡会社と譲受会社の合意のみで成立します。

事業譲渡・会社再建なら当事務所へ

主に事業譲渡についてみてきました。

手続き項目としては少ないかと感じたかもしれませんが、実際に行うとなると煩雑で時間と手間がかかります。
取引先が多ければ多いほど、債権債務が多ければ多いほど、事業が複雑であればあるほど手続きが複数となります。

手間と時間がかかりますので、事業譲渡を行う目的をきちんと持っておかなくては挫折しかねません。

また、手続きだけに目を取られ、事業譲渡の相手方との契約がおろそかになり不利な契約を結んでしまっては本末転倒となります。
残したい事業はきちんと保護しておく必要があります。

権利義務関係の書類の専門家である行政書士が契約書の内容を法務確認しつつ、必要な許認可の手続きも代行いたします。
また、事業譲渡のリスクを勘案しながら、業界に応じ最適な手法をとれるアドバイスもさせていただきます。

ぜひお気軽にご相談ください

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