①株式会社の特徴
 できるだけ多くの人たちに出資をしてもらい、そのお金をもとに大規模事業を展開し、利益を上げる活動を行います。
 多くの出資を集められるように社員(株主)の責任は間接有限責任としています。
 また、株式制度を採用することで、資力に見合った出資ができるようになっています。

②社員の責任
 社員とは、出資者・団体の構成員を指します。
 株式会社の社員は、会社債権者に対して出資額を限度とする間接有限責任のみを負い(会社法104条)、直接には責任を負いません。

③社員の所有権
 株式会社は、社員は出資をするが、経営には直接参加せず、他の者にゆだねるというのが原則です。
 所有と経営の分離といわれます。
 社員は会社の所有者ですが、経営者ではありません。

④株式譲渡
 株式会社の社員は、会社の経営に直接参加しないことから、社員の個性は重視されません。
 すなわち、出資者はどのような者でもいいということになります。
 そのため、株主の交代も自由にできる(株式譲渡)のが原則となります。

⑤出資の払い戻しの禁止
 株式会社の社員は間接有限責任であるところ、会社債権者は会社財産のみが債権の担保となります。
 したがって、会社財産を減少させる出資の払い戻しは原則として認められていません。
 出資の払い戻しは認められていないものの、投下した資本が回収できないとなると出資をしてもらえないため、株式の譲渡は原則として自由に行えることになっています。

大野