ロマンス詐欺ー被害者のその後ー
ロマンス詐欺のニュースが流れるたび、
「なぜ騙されるのか」
「そんな話、普通は信じないだろう」
そんな言葉が、コメント欄に並びます。
けれど、報道が終わったあと、
被害者がその後どう生きているかは、ほとんど語られません。
今日は、その「その後」の話です。
① 失ったのは、お金だけではない
ロマンス詐欺の被害額は、数十万円から数千万円に及ぶこともあります。
確かに、お金は大きな問題です。
しかし、被害者が口をそろえて言うのは、こうです。
「一番つらいのは、お金よりも“信じた自分”を失ったこと」
毎日やり取りをして、
悩みを聞き合い、
未来の話をして、
ときには孤独を救われた気さえした。
それが、すべて「嘘」だったと知った瞬間、
人を信じる感覚そのものが壊れるのです。
② 誰にも言えない孤独が始まる
ロマンス詐欺の被害者は、相談が遅れがちです。
理由はとても単純で、そして重い。
恥ずかしい
笑われそう
自分が悪い気がする
家族に知られたくない
その結果、
被害は終わったのに、孤独だけが始まる。
夜、スマホを見るたびに思い出す。
連絡が来ないと分かっていても、画面を見てしまう。
これは、恋愛の喪失とほぼ同じです。
場合によっては、DVや依存関係の離脱に近い心理状態になります。
③ 「もう恋愛はしない」と言う人たち
被害後、多くの人がこう言います。
「もう二度と恋愛はしません」
これは強がりではなく、
自分を守るための防衛反応です。
特に、
離婚後
配偶者と死別後
子育てが一段落した後
こうした人生の節目で被害に遭った人ほど、
「誰かを頼ること」そのものを怖がるようになります。
④ 回復に必要なのは「正論」ではない
周囲は、つい言ってしまいます。
「ちゃんと確認しなかったのが悪い」
「そんなうまい話ないでしょ」
「勉強代だと思えば?」
しかし、これらはすべて逆効果です。
被害者に必要なのは、
正論でも説教でもなく、
「騙されたあなたが悪いわけじゃない」
この一言だったりします。
ロマンス詐欺は、
感情を使った犯罪です。
理性だけで防げるものではありません。
⑤ 少しずつ、人生に戻っていく
時間はかかりますが、
多くの被害者は、少しずつ日常に戻っていきます。
信頼できる第三者に話せた
専門家に相談できた
同じ経験をした人の話を読んだ
こうした「外との接点」が、回復のきっかけになります。
そして、ある日ふと気づくのです。
「あの出来事が、人生のすべてではない」
この瞬間が、再出発の第一歩です。
⑥ 最後に
ロマンス詐欺の被害者は、
弱い人でも、愚かな人でもありません。
人を信じようとした人です。
もし、あなたの身近に
「少し元気がない人」
「急に誰にも会わなくなった人」
がいたら、
問い詰める必要はありません。
ただ、こう言ってあげてください。
「話したくなったら、聞くよ」
それだけで、人は救われることがあります。
南本町行政書士事務所 特定行政書士 西本
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