ビジネスをしていると、契約をした証として契約書を交わすのがほとんどです。
契約は口頭であったとしても成立しますが、なぜ契約書を作成するのでしょうか。
契約書の役割
契約書を作成する理由は何でしょうか。
皆さん、口約束で反故にされた経験はないでしょうか。
意図的に反故にした場合、失念で反故にされた場合、様々ですが、人間は言ったことを忘れがちです。
「あなた、以前OOといったじゃないですか」といって話を聞いてくれるのは日本人だけかもしれません。
ビジネスにおいては、利益を追求するのが当たり前ですから、自分に不利なことは濁すことが多くなりがちです。
濁された場合、どうしますか。
いったいわないの押し問答をしていても埒があきません。
そんなとき、署名捺印をしている、絶対にあなた見たよね、言ったよね、といえる紙切れがあれば相手方を説得できる材料になるのではないでしょうか。
これが契約書を作成する意味です。
契約書は、契約当事者間の意思の合致を証明する目的で作成される文書なのです。
記録を残しておくことで、口約束によるあいまいさを避け、後のトラブルを回避しつつ、訴訟に発展してしまった場合には、証拠になるのです。
契約書の存在により、相手に義務を履行するように催促しやすくなります。
契約書のメリット
契約書は、契約当事者の意思の合致を証明する目的で作成される文書です。
これを作成するメリットは以下のものが考えられます。
- ビジネスを安心して行うことができるようになる(トラブル回避)
- 交渉箇所が発見しやすくなる
- 相手の履行を促しやすくなる
- 証拠となる
- 認識のズレを修正できる
- 契約書を作っていると、他の業務へも汎用性がある(業務に合わせて修正は必要ですが)
契約書を作成するメリットは大きいですが、どんな内容であってもよいものではありません。
ひな形などもインターネットで探すことができますが、そのまま利用してしまうと、自社に不利な契約となってしまうおそれがありますので注意が必要です。
契約書のリスク
ひな形をそのまま使った場合、自社に不利な契約となってしまうおそれがあることは述べたとおりです。
ひな形も使わず、自力で作成する場合にも注意が必要です。
契約書は契約当事者の法的な権利義務を定める文書ですから、その記載内容・条項が不適切なものであった場合、役に立たないといったことも起こりえます。
契約書を作成したがゆえに、逆にリスクを負ってしまったというケースがあるのです。
例えば、報酬が定められていないがゆえに、訴訟に発展した。
不明確な内容で解釈が分かれ、訴訟に発展した。
契約の解除に関する規定が不十分だったために、逆に損害賠償を請求された。
色々なケースが想定できます。
トラブルが発生したり、訴訟に発展したりすると、手間と費用が膨大にかかります。
これではビジネスが円滑に進みません。
これを避けるためには、しっかりと権利義務が規定された契約書を事前に作成しておくことが重要となります。
自力で作成した契約書、ひな形を利用した契約書で不安が残る場合には専門家に精査をしてもらうことをおすすめします。
また、契約書の作成を専門家に依頼するのもよいでしょう。
契約書の作成・確認は当事務所へ
契約書の作成、精査、手直しでお困りの方は、当事務所へご相談ください。
御社の気になる点、要望などをくみ取り、契約書へ落とし込みます。