日本法によると未成年者は法定代理人の同意を得ずに取引をした場合、後から取り消すことができます(民法5条1項)。

例えば、17歳の少年が法定代理人の同意を得ずに海外取引をした場合でも、同じく取り消すことができるのでしょうか?

取引をした国では16歳が成人年齢だとするとどうなるのでしょうか?

通則法4条1項によれば、行為能力は本国法で定めるとあります。本国法とは、その者の国籍のある国の法律ということですから、今回なら日本法となります。

これによると17歳の初年は日本では未成年となり民法5条1項により取り消すことができると考えることになりそうです。

しかし、通則法4条2項では、法律行為をした者が行為地法(取引をした国の法律)によれば行為能力者とされかつ法律行為の当時そのすべての当事者が法を同じくする地にあった場合には、その者は行為能力者とみなされるとあります。

この趣旨は、同じ場所に当事者が居た場合のその者達の取引の安全を図る点にあります。

海外にこの少年がいって取引をしたのであれば、海外の法律が適用となり、今回は未成年者による取り消しは主張できないという結果になります。

行政書士 西本