締結した契約を解消する際、解除や解約という言葉が使われます。
解除とは、契約の一方の当事者の意思表示によって、有効に成立していた契約の効力をさかのぼって解消させるものです。
その結果、契約は初めから存在していなかったということになります。
契約が初めから存在していなかったことにするため、元にあった状態に戻す必要があることから、原状回復義務を負います。
また、損害が生じている場合には、損害賠償をすることができます。
解約とは、継続的な契約関係にある場合において(賃貸借契約など)、その契約の効力をはじめから存在していなかったとするのは不可能なことから、契約の一方の当事者の意思表示によって契約の効力を「将来に」向かって消滅させるものです。
両者の違いのメルクマール
・解除
効力が遡及して消滅する
・解約
効力が将来に向かって消滅する
・賃貸借契約の解除(民法620条)
・雇用契約の解除(民法630条 民法620条)
解除の種類
①法定解除
・債務不履行
・契約不適合責任 など
②約定解除
契約を解除できる事由を定めておいて、それを満たした場合に解除すること
・手付解約
・買戻し解約
③合意解除
当事者間で合意をして解除する
大野