法律を使いこなすためには、法律の意味内容を明らかにし、理解することが重要となります。
すなわち、要件効果を判断するためには法の解釈が必要となります。

法の解釈は大きく分けて、①文理解釈と②論理解釈に分けられます。
①文理解釈
 法律の条文に規定されている文言に従って法律を解釈する方法です

②論理解釈
 法律の条文に規定されている文言の意味を超えて法律の制定目的・経緯などを考慮しながら法律を解釈する方法です。
 論理解釈には、拡大解釈・縮小解釈・類推解釈・もちろん解釈・反対解釈などの方法があります。

例で説明してみると・・・
「公園への車の進入は禁止する」という法律文言があったとします。

①文理解釈では
 法律の条文に規定されている文言に従って解釈することを言うので、一般的には車とは自動車を意味し「公園には自動車では入ってはいけない」ということになります。
 しかし、「車」は自動車だけなのか、という疑問がわくと思います。自転車も「車」という文字がつかわれているはずですよね。
 このように文理解釈でははっきりした結論が出せない場合があるので、他の解釈方法が必要となることがあります。
 そこで、論理解釈をすることになります。

②論理解釈では
 なぜ公園に車の進入が禁止されているのかを、法律の制定目的・経緯を考慮しながら法律を解釈します。
ア)拡張解釈(文言の意味を広げて解釈する方法)
 車は自動車に限らず自転車や一輪車も含むものだ、と解釈する方法です。

イ)縮小解釈(文言の意味を狭めて解釈する方法)
 車は自動車の中でも四輪自動車のみを意味し、二輪車は含まない、と解釈する方法です。

ウ)類推解釈(文言の意味からは導けないが、似たようなものだから同じと考えてもよいと解釈する方法)
 車と書かれているが、ホバークラフトも自動車に似たようなものであるから、ホバークラフトも禁止されている、と解釈する方法です。

エ)もちろん解釈(条文に規定するまでもなく当然だと解釈する方法)
 車と書かれているのであるから、車よりさらに危険な飛行機は当然禁止されている、と解釈する方法です。

オ)反対解釈(文言に規定されていないものは、適用されないと解釈する方法)
 車と規定されているから、自動車「以外」のものは禁止されていない、と解釈する方法です。

やわらかくすると・・・
①自動車は進入できないやん。
②ア)自動車も自転車も一輪車も進入できないやん。
 イ)四輪自動車だけっしょ。
 ウ)もしかしたらホバークラフトもあかんの。
 エ)飛行機なんてもってのほかやで。
 オ)自動車以外は何でもいけるっしょ。

法律論争が起こるのは、法律の規定文言があらゆる方向で解釈が可能であるからです。
ある文言をそのまま解釈するべきなのか・拡大して解釈するべきなのか・縮小して解釈するべきなのか、は立場によって変わってくるため論争が起きるのです。
すこし意識して解釈すると勉強が面白くなるかもしれませんね。

大野