WEBサイトとは
ビジネスを展開するうえで欠かせないのが、WEBサイトです。使用されている方も多いと思います。
対面ができない現在、遠隔でビジネスを行う、業務を遂行することが浸透しつつあります。
まず、WEBページとホームページに違いはあるのかという疑問はありませんか。(参考までに解説いたします)。
WEBページの集まりをWEBサイトといいます。
WEBページは個別のページを指します。
そして、ホームページはWEBページのトップページを指しています。
そんなWEBサイトですが、デザインを凝ってみたり、目的に沿ったページを作成したり、内容を凝ってみたり、創意工夫の余地は大いにあるものです。
創意工夫を凝らすのはSEO対策として重要ですが、御社の業務を守る、責任の追及を軽減させるために、WEBサイトを守るためには法律の知識を欠かすことはできません。
事前に、利用規約、プライバシーポリシー、特定商取引法に基づく表記等をウェブサイトに設ける場合もあるのはそのためです。
また、自社サイトだからといって好き勝手に作成・更新・運営できるわけではありません。
基本的には自由に運営してもよいのですが、他の者の権利を侵害することは許されませんし、自身の権利を侵害されることを許しておく必要もありません。
例えば、商標権や著作権などの知的財産権を侵害することは回避しなければなりません。
特にデザイナー様など制作物を伴う業務をなされている方は自身の権利を守るため、他者の権利を侵害したものを公開しないようにするために注意が必要です。
WEBサイトとデザイナーの悩み
当事務所は、webデザイナー、インテリアデザイナー、印刷物やマグカップ、ロゴ制作など物の制作をされるデザイナーの方のお客様が非常に多くいらっしゃいます。
その中で非常に多くの声をいただくのは、デザインを制作するうえで、特に制作物に対する著作権、著作者人格権不行使文言、ロイヤリティ問題などでデザイナー様が頭を悩ませているという事例でした。
制作を依頼された側として、またお金をいただく側として強く主張できないという面、しかし、自分が制作した物を大切に扱ってほしいと思う面、権利を手放したくないところもあるという難しい葛藤についてのご相談をよくお寄せいただきます。
これはWEBページ(ホームページ)や記事の作成の場合であっても同様です。
これらはデザイナー様自身のデザイン・ブランドを保護するために大変重要なところです。
デザイナー様と依頼人様(ユーザー)の双方が納得できるような形で業務委託ないしは請負契約を締結することが、結果としてデザイナー様がよい仕事ができる環境に身を置く状況にするためです。
そのため、依頼内容がどのようなもので、どこに掲載するのか、など状況を的確に把握したうえで、契約書の内容が有利か不利かも踏まえたうえで、これらの問題について契約書の作成時にうまく記載する必要があります。
また、デザインなどの制作物を伴う仕事の場合、二次的著作物の問題もありますので、その点についても考えておかなくてはなりません。
さらに、YouTubeなどのツールでのコンテンツ動画投稿の際どこまで自己に権利がある著作物を投稿してよいか、人の権利をどうなったら侵害しないのかも注意しなければなりません。
デザインの問題は当事務所へ
デザイン契約など制作物を伴う業務委託契約ないしは請負契約の場合、押さえておかなければならないチェックポイントが多くあります。
これらを1つ1つ情報を収集し、事案に落とし込み、条項として契約書に規定を定めることは知識を持っていなければ時間がかかってしまいます。
本当に時間をかけるべきところはデザインです。
デザインに時間をかけ、双方が納得するものを納品することが重要だと考えております。
契約書の作成、契約書の精査などのチェックポイントについては当事務所へご依頼ください。
デザイン契約に関する一連の問題についてアドバイスいたします。
デザイン契約の特徴とは
デザイナーのデザイン契約の特徴・注意点について解説・紹介いたします。
~公益社団法人 日本インダストリアルデザイナー協会 職能委員会 日本弁理士会意匠委員会 から引用~
★契約の基礎
1 契約が目指すもの 契約の究極の目的
デザイナーとクライアントである企業(発注者)とが、お互いの立場を尊重し、よりよいデザイン成果を生み出す土壌を形成することです。
現状においては、デザイナーが自分の権利を自覚して主張すること、そして自分の身を守ることから始めなければなりません。
2 契約とは
「契約」とは「約束」のことです。
「口約束」でも「契約」は成立します。しかし、口約束は「証拠」がないのでトラブルの元です。
そこで、約束した事項(合意事項)を書面にしたものが「契約書」です。
「契約書」というタイトルでなくとも、合意事項が記されていれば「契約書」です。
デザイン契約は、「無から有を作り出す作業」が取引の本質なので、「合意すべき事項」が多く、書面化しておかないとトラブルが発生します。
3 下請法について
デザイナーの仕事は「下請法」で保護されています。
「下請法は、下請代金の支払遅延等を防止することにより、親事業者の下請事業者に対す る取引を公正にし、下請事業者の利益を保護するために制定された法律」です。
例えば、下請事業者に責任がないのに、発注者が発注後に下請代金の額を減じることや、 下請事業者からの請求書が提出されないことを理由に、下請代金の支払日を遅らせることが禁止されています。(公正取引委員会HP)
4 契約書がないことによるトラブル(JIDA アンケート・2008 年より)
・予算が曖昧で仕事のクォリティーが落ちる
・対価の対象となる作業が不明確(プレゼン費用、予算以上の要求など)
・なかなか支払われない。作業後の値引き要請
・追加費用の発生が認められない 撮影費、サンプル購入、出張費などの実費、コンセプトの変更
・作業の一方的な中止(確認への回答がない、ペンディング)
・知的財産の帰属・他の用途への転用
5 見積書について
デザイナーから「契約書」を持ちかけることが難しい場合も多いでしょう。
「契約書」というタイトルでなくとも、当事者の「合意」を裏付ける「書面」を用意することが有効です。
例えば「見積書」を利用します。
「見積書」を提出し、「見積もりに基づいて発注する」と企業から連絡があれば、「見積書」の内容で「契約」が成立したことになります。
「見積書」には可能な限り詳細に見積もり条件を記載します。
「デザイン制作一式」というような記載ではほとんど意味をなさないし、トラブルの元になります。
以下の事項は是非記載してください。
- テーマ
- 合計金額(税込みか税別か)
- 支払時期・方法
- 具体的な作業内容(作業の範囲、スケジュール、デザイン案の数)
- 検収の有無。作業終了後のデザイン変更
- 不採用案の扱い
- 知的財産権の扱い
- 作業内容に対応させて作業ごとに金額を記載
- 提供を受けるデータがあればその内容
- 見積り外の費用が発生する可能性がある旨の記載
6 工程表について
「見積書」の付属資料として「工程表」を用意するとよいでしょう。
工程表において、作業スケジュール、ステップごとの提出物、確認事項、発生が予想される 外注費・出張費などを明記することにより、受任時の合意内容をいっそう明確化することができます。
WEBサイトで気を付けるべき記載事項
これまでデザイナー様の契約に関して注意すべき点についてご紹介をさせていただきました。
デザイナー様がWEBサイトを制作、作成する際も注意しなければなりません。
それは、WEBサイトの文言です。
通常、WEBサイトを制作、作成した際、サイトには利用規約、プライバシーポリシーを記載します。
これらに関してもデザインを扱う制作会社様、事務所様、フリーランス様は通常のいわゆる物販のECサイトの文言では意味がなく、特有の上記問題に気を配った利用規約、プライバシーポリシーの制作、作成をする必要があります。
WEBサイト・デザイン契約でお困りの方は当事務所へ
これから独立されるデザイナーの方、または今までやってきて問題に対応してこられなかった方など幅広いデザイナーの方からのお問い合わせをお待ちしております。
- 口約束で契約をしていたがために、請求をしても報酬を支払いがない
- 権利の譲渡について折り合いがつかない
- 予期せぬことが起きた場合、甲・乙どちらが負担を負わなければならないのか
- いくら成果物を納品しても合格してくれない
- 指定した納期を守ってくれない(遅延がたびたび起こる)
- 解約したい(契約解除をしたい)
- 権利の侵害に対しての保証、義務などの折り合いがつかない
- 前の受託内容からの一部変更に一切応じてくれない
著作権を始めとする知的財産権の知識を各デザイナー様と共有し、今後デザインをする上での対処法やお客様との契約書に記載する事項のご相談、また著作権文化庁登録の申請書の代理作成、申請まで幅広くお付き合いいただける内容を業務としておりますのでお気軽にご相談ください。