先日、「法の日」をご紹介した際、10月1日は陪審法が施行された日であることから、法の日が10月1日になっているといいました。

違和感を覚えた方、鋭いですね。

現在、日本では「裁判員裁判」か「職業裁判官による裁判」のいずれかです。

すなわち、陪審制は採用されていません。

陪審制は、基本的に有罪かどうか(犯罪事実の認定)を陪審員という一般市民から選ばれた人たちが決めます。

裁判官は、法解釈と量刑を行います。

裁判員裁判も似たような制度ではありますが、裁判官と共同して有罪かどうかを決め、その量刑についても考えるという点で違いがあります。

日本の陪審制度は昭和3年から昭和18年まで行われていました。

陪審資格名簿から抽選で選ばれた12人の陪審員が審理に参加し、有罪かどうかを裁判所に答申していました。

この答申に裁判所は拘束されないそうで、新しい陪審に付す(陪審の更新)こともあったそうです。

また、答申を採用して言い渡された判決に対して控訴は特別な理由がない限り許されなかったそうです。

この制度は刑事事件に限定され、死刑または無期の懲役若しくは禁錮に当たる事件については陪審裁判が義務となっていたそうです(法定陪審事件)。

長期3年を超える有期懲役または禁錮に当たる事件については被告人が請求した場合のみ陪審裁判となっていました(請求陪審事件)。

これがなくなった理由として、様々あるそうですが、戦火でそれどころじゃなかったこと、費用がかかること、有罪の場合、陪審裁判の費用を被告人が負担しなければならないということから被告人から敬遠されたこと、法曹関係者もあまり乗り気じゃなかったこと、などが言われています。

一般市民の声を法廷にも。というのは近年の裁判員裁判の導入の前から言われ、実際に導入していたんですね。

大野