法の格言は何種類かあります。

今回は刑事関係についてご紹介します。

刑事事件があり、裁判のニュースが流れると時々耳にすることがありますから、皆さんご存じかと思います。

「疑わしきは罰せず」です。

疑わしきは被告人の利益に、ともいわれることから聞いたことがあると思います。

例えば、コンビニでジュースが盗まれたとします。

警察が聞き込みをし、犯人としてAが逮捕されました。

しかし、Aはやっていないと無罪を主張します。

Aが窃盗の犯人として逮捕されたのは、いかにも犯人っぽいから、現場近くに不審者としていたから、という理由だけでした。

防犯カメラや目撃者はいません。

普段から素行が悪いと評判であったというだけで、決定的な証拠はなく、Aがコンビニでジュースを盗んだことを証明することはできませんでした。

犯罪の証明ができなければ、無罪判決をしなければなりません。

なぜなら、刑事訴訟法336条には、「被告事件について犯罪の証明がない時は、判決で無罪の言い渡しをしなければならない。」と規定がされているからです。

疑わしいというだけでは人を有罪にすることはできないとされています。

疑わしい場合は罰することができない、疑わしいだけであればそれは被告人の利益にという格言が、具体化されています。

ただ、本当にそのように運用されているのかどうかはわかりません・・・・

大野