株式会社には、4倍ルールというなるものが存在します。
公開会社に対して、発行可能株式総数が発行済み株式の数の4倍を超えてはならないというルールです。
なぜ、このようなルールを設けているのでしょうか。
例えば、会社を設立する際に、100株を発行した会社があったとします。
そして、発行可能株式総数が1000株だったとします。
この会社は、あと900株を発行することができることになります。
そして、公開会社の場合、新たに株式を発行する際は、取締役会の決議のみで発行することが可能となっています。
例でいうと、900株の範囲であれば、取締役会の決議のみで発行することが可能ということになります。
取締役が耳の痛いことばかり言う株主を排除したい、支配権を強くしたいと考えた場合、これが可能となってしまいます
株をバンバン発行し、株主の持株比率を低下させるおそれがあります。
これでは、株主の保護にかける、不利益になるということから、4倍ルールを設けることになったのです。
例では、発行可能株式総数は400株となります。
4倍ルールは、株主の保護のためのルールですから、非公開会社の場合は、株主の入れ替わりが少ないため、ルールは適用されません。
なお、4倍ルールがが適用されるのは、以下となります
①公開会社の設立時(会社法第37条第3項)
②定款変更による発行可能株式総数の増加の場合(第113条第3項第1号)
③非公開会社が定款変更をして公開会社になる場合(第113条第3項第2号)
④株式併合(第180条第3項)
⑤新設合併、新設分割、株式移転による公開会社の設立の場合(第814条第1項かっこ書き、第37条第3項)
大野