定款に記載のない財産引き受けについて、成立後の会社が追認することができるかというお話があります。

と言いますのは、条文上財産引き受けは会社法28条2号では定款に記載がないと効力がないとされているからです。

そうはいうものの、財産引き受けをするのは常に会社の定款に記載してないと効力がないとするのは定款を毎回書き換えないといけないですし面倒でもあります。また後から会社が追認することで、会社自体が問題と判断している訳ですから有効としてもいいのではないかとも考えられます。

そこで、どういう言う論理でこれを有効またはやはり無効と判断するのかというのが問題となります。

財産引き受けが定款に記載された場合にのみ効力が生じるとした28条2号の趣旨は会社の財産的基礎の安定を図る趣旨にある。そうだとすれば、後から追認によっていつでも有効と出来るとしたのでは財産的基礎の安定が図れないため28条2号の趣旨を没却する。

そこで定款に記載のない財産引き受けは効力を有しないと考えます。

行政書士 西本