会社を辞めてから、そこでのノウハウを生かして同じ業種でビジネスを立ち上げるのは可能です。ただしこれは従業員の場合です。単なる従業員でこれが問題となるとすると雇用契約書に規定がある場合、またはそもそもの従業員に労働関連法規により課せられる忠実義務違反となる場合です。

一方取締役などの役員が同じことをする場合にはこれも辞めてから行動する分には法律に引っかかりませんが、在職中に行うと会社法上の責任を負わなければならない(会社法356条)です。

では、役員が退任後、同業種で起業または同業種企業に雇用され問題が生じるのは、会社法上の規定というより、会社との契約に反するということですね。これについては営業の自由や不正競争防止法、独禁法との関係も見る必要があり、概ね長くても5年間は同じ業種で商売できないだけであとは好きにできるというのが判例の傾向です。これ以上の期間、競業避止義務を会社が従業員や役員に負わせるとそれはそれで無効になるという判例もあります。

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西本