今日は、適用と準用という言葉について書こうと思います。
適用とは、法律が予定していた特定の事柄について、法律の規定を特定の事柄に「そのまま」当てはめることをいいます。
あてはめことができれば法律の予定していた効力が生じることになります。
例えば、20年間甲土地(Bの土地)をAが占有していた場合、Aが甲土地の所有権を取得できるかが問題となっていれば、民法162条の取得時効の条文が「適用」できるか事実に当てはめていくことになります。
結果、Aが甲土地を20年間、所有の意思を持って、平穏かつ公然と甲土地(Bの土地)を占有していれば、民法162条の適用によりAは甲土地を時効取得することができることになります。
準用とは、 法律が予定していた特定の事柄について、それと類似する事柄について、法律の規定に「一定の修正(変更・読み替え)を加えたうえ」で、類似する事柄に当てはめることをいいます。
準用が法律で用いられるのは、類似する条文を重ねて規定しないようにするための立法技術です(条文数の削減のためです)。
例えば、民法616条では、「第594条1項の規定は、賃貸借について準用する。」と規定されています。
616条は賃貸借での規定ではありますが、594条1項「使用貸借に関する借主による使用収益」の条文が適用されることになります。
すなわち、賃貸借の借主は「用法遵守義務」を負うことになります。
適用:あてはめる
準用:類似する事柄に拡大ないし読み替えてあてはめる の作業
準用は、条文を行き来するのでめんどくさいですが・・・・
大野