旧法下では、連帯債務者の一人に対してした債務免除は免除を受けた連帯債務者の負担部分の限度で、絶対的効力が認められる(旧437条)としていました。つまり連帯債務者一人に対して行った債務免除はその他の連帯債務者との関係でも生じるということです。これが相対効になりました(新441条)。つまり全員に生じず、その人との間でだけ生じるということです。例えば、債権者がいて債務者ABCに300万貸していた場合、債権者がAに対して債務を免除したすると、Aは連帯債務関係から離れ債権者から請求されることはありません。ただBCのどちらかが債権者に300万を返還したら(仮にBとする)BはCとAそれぞれに100万円の求償請求ができるということになります。
Aとしては結果的に誰かに求償されるため、旧法よりAの保護は弱くなります。債権者から請求されなくなるだけで、結果的に100万円は誰かに払うのですから。ここは消滅時効が完成しても同じです(新445条)。
西本