事業年度の終了後、3か月以内に定時株主総会を開くのが一般的であり、準備の必要性から6月下旬に開かれることが多い、というのが前回まででした。
会社法の仕組みとして、一般的に定時株主総会は6月下旬に開かれることが多いのは間違いないのですが、会社法の仕組み以外にも理由があるのです。
それは、総会屋対策です。
総会屋とは、株式会社の株式を少数保有し、株主としての権利行使を乱用することで会社から不当に金品を収受、要求する者などを指します。
昔の株主総会は、大いに荒れたそうです。
そのため、会社が金品などを渡しておとなしくしてもらったこともあったそうです(現在は会社法上そのような行為は禁止しています 会社法120条)。
その対策として、会社は、同じ日にこぞって株主総会を開催することにしたのです。
同じ日に開催されていると、同時に様々な場所で開かれている株主総会に行くことは困難ですからね。
それでは、株主の権利が行使できなくなるのではないかという不安があるかと思いますが、その点に関して「代理行使」を認めています(会社法310条)。
6月下旬に多く開かれるのは会社法上の仕組みだけではなく、いろんな事情が重なった結果であるようです。
今年の6月のニュースでOO会社の株主総会が開かれました、と流れたら無事に開催できたんだなと思ってみてください。
大野