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トートロジーとは?|意味と定義
**トートロジー(tautology)**とは、同じ意味の言葉を繰り返す表現や、常に真となる論理命題のことを指します。
この言葉は、**修辞学(レトリック)と論理学(ロジック)**の両方で使われますが、意味や役割に違いがあります。
トートロジーの具体例|日常表現と論理表現
✅ 修辞学におけるトートロジーの例(重言・同語反復)
- 「馬から落馬した」
- 「頭痛が痛い」
- 「未来を予測する」
- 「事前に前もって準備する」
これらは冗長に見える表現ですが、意味を強調したり、響きのリズムを整えたりするために使われることもあります。
✅ 論理学におけるトートロジーの例(常に真となる命題)
- 「Aであるか、Aでないか」
- 「雨が降るか、雨は降らないか」
- 「もし彼が来れば来るだろう」
論理学では、常に真となる命題をトートロジーと呼び、議論の土台や前提として活用されます。
修辞学におけるトートロジー|言葉の装飾と効果
修辞学では、トートロジーは**「強調」「響きの調整」「感情表現」**などの目的で使われます。
例:
- 「それが本当の真実なら…」→ 誇張・強調
- 「彼はただただ泣いていた」→ 感情の強調
- 「平和な世界が平和であるために」→ メッセージ性の強化
使いすぎには注意
トートロジーを多用すると、くどさや幼稚な印象を与える恐れがあるため、バランスが重要です。
論理学におけるトートロジー|論証の基礎と意味のない命題
論理学では、トートロジー=常に真となる命題とされますが、これは2つの側面を持ちます。
① 有用なトートロジー:論理構造を確認するために使う
- 「Aまたは非A」→ 排中律(Law of Excluded Middle)
- 「AであるならばAである」→ 恒真命題
② 無意味なトートロジー:主張の根拠にならない
- 「私は言ったから言ったのだ」
- 「ルールはルールだから守るべきだ」
これらは**循環論法(Circular Reasoning)**の一種で、論理的に空虚な主張とされます。
トートロジーの使い方|場面に応じて使い分けよう
用途 | トートロジーの扱い | 注意点 |
---|---|---|
日常会話・文学 | 効果的に使えば印象が良い | 過剰に使うと幼稚な印象 |
論文・ビジネス | 不適切なトートロジーはNG | 意味の重複を避ける |
論理的思考 | 基本命題として活用可能 | 循環論法には要注意 |
SEOにおけるトートロジーとライティングの関係
Webライティングにおいても、トートロジーには要注意です。たとえば、キーワードを過剰に重複させると、**SEOスパム(キーワードスタッフィング)**とみなされる可能性があります。
NG例(不自然なトートロジー):
「安くてお得な格安商品の中でも安い商品を紹介!」
→ 読みにくく、不自然。評価も下がりやすい。
対策:
- 類義語や表現のバリエーションを使う
- 意味のある繰り返しだけにとどめる
まとめ|トートロジーを正しく理解し、表現力と論理力を高めよう
トートロジーは、**表現の装飾としての役割(修辞学)**と、論理構造の確認や分析(論理学)の両面で重要な概念です。
意味の重複に気づけるようになると、文章の明瞭さ・説得力が向上します。
トートロジーを避けるべきか?
→ 目的に応じて使い分けるのが正解です。
大野