今日からあなたは人間国宝です。
といわれたら何かすごいことしたのかなと思ってしまいます。
勝手に名乗っているのか、それとも誰かに指定されるのか、果たしてどちらでしょうか。
ニュースになるくらいですから、後者ですね。
人間国宝は文部科学大臣が指定した重要無形文化財の保持者として認定された人物です。
文科大臣が認定するくらいですから、どこかに認定するための根拠があるのでしょうか。
それは、文化財保護法という法律に規定があります。
同法第71条
文部科学大臣は、無形文化財のうち重要なものを重要無形文化財に指定することができる。
2 文部科学大臣は、前項の規定による指定をするに当たつては、当該重要無形文化財の保持者又は保持団体(無形文化財を保持する者が主たる構成員となつている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。
法律自体には「人間国宝」という言葉は登場しませんが、重要無形文化財の認定保持者を指して人間国宝と呼んでいます。
じゃあ、どんな人が指定されるのでしょうか
これについては、文化財保護法第2条第1項第2号において、
演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で我が国にとつて歴史上又は芸術上価値の高いもの(以下「無形文化財」という。)
と規定されています。
芸事や技術などの無形の「わざ」を無形文化財と定義し、価値の高いものについて重要無形文化財に指定し、これを高度に習得している個人又は団体を保持者として認定しています(人間国宝)。
人間国宝になると、助成金が一人当たり年間200万円でるそうです。
ただ、助成金の総額の予算が決められており、年間2億3200万円となっています。
ということで、人間国宝の人数は最大で116名までだそうで、116名の人間国宝がいらっしゃる場合、新たに人間国宝が認定されることはないそうです。
その場合、欠員が出るまではどんなにすごい技を持っている人であったとしても人間国宝になることはありません。
なお、人間国宝に初めて認定された人は、陶芸家の石黒宗麿(いしぐろ むねまろ)さんだそうです。
大野