ご依頼者様の中には、特定の場面を想定して、項目を作成される方がまれにいらっしゃいます。
例えば、契約の終了を希望する場合は、スラック(他の方法は認めない)のみで平日の10時~12時の間のみかつこちらから承諾の返事があった場合のみ受け付ける、のような文言です(ここまではあまり聞きませんが、条件を過度につけるということの参考にと思いましてオーバーにつけております。あしからず)。さらにこれが大きな金額を一括で振り込むような、消費者にとって不利な部分がかなり多いと想定します。
この文言のどこが問題かといいますと問題は2点あります。
まず1点目は他の方法を認めないということはスラックだけしか受け付けない、さらに時間的な制限とこちらの返事がないといけない、つまり契約の終了にいくつかの制限を加えたことになります。このような制限がある契約で仮にスラックが一切使えないような人と契約した、とすると、客観的な判断としては、実質上解約できないようにした、と判断されることがあります。
解約できない文言がある=フェアではない、契約としてはこの部分は通常の解約(法律に規定のある解約手続き)規定で行くと判断されたり、またはひどいときは他の条項と合わせてみると明らかに一方的、よって契約としては無効と判断されることもあります。
2点目は、契約の解釈云々の前に、その消費者様とこのような複雑な規定があること自体揉めるネタになってしまいかねないということです。
契約書は何のために交わすのかといいますと、紛争にならないように、後から食い違いをなくすために、結ぶと思います。
しかし、過度に制限を加えたり、条件を付けたりすることがかえってお互いの同意を妨げてしまい、それは聞いていない、いや説明したとなりかねないということがあります。
この辺りは、よくご説明するのですが、法律的にOKだからと言ってそれを全部書いてしまうとすごく一方的になります。ある程度のところで、公平なバランスをとることも重要ですよということはアドバイスさせていただくことはあります。
この辺りは、専門家と協議しながら契約書を作成するメリットかなと思っています。
南本町行政書士事務所 特定行政書士 西本