日本の高度経済成長を支えた雇用慣行の特徴として大きく3つのものがあります。
①終身雇用制度
②年功序列型賃金制度
③企業別組合
使用者(企業)と労働者が対立していては生産性がアップせず、高度な経済の成長は望めません。
生産性をアップさせるために、多くの労働者を雇ってもすぐに解雇することになっては、安心して働けませんから、一度雇用すれば定年までは解雇しない。
就業経験がないことから、はじめは低賃金で雇用されるものの、会社に教育してもらい、年齢や勤続年数に応じて賃金を上昇させる・退職金はしっかり支払う。
何か問題が起こった場合に備え、企業ごとに労働組合が結成され、対応してもらう。
これにより、労働者が安心して働ける環境となり、労働者は会社への忠誠心・帰属意識が高まり、生産性アップに労働者が協力的になっていました。
ただ、経済も成長し、その後の成長鈍化・停滞により三大雇用慣行は崩れてきています。
若手でも能力があれば、それに応じた給料をもらえる。
高い給料ももらえるが、リストラされるおそれがある。
労働組合の組織率は低下してきている。
経済が成長することが見込まれ、労働力不足になることを見越し、大量に若手を雇用し、安心して働いてもらうためにリストラはしない。というのは経済成長が前提となっています。
経済が成長しない、頂上に到達したのであれば、次は能力の時代となる。
現在の日本は、その状況にあるようです。
大野