法律を学習していると、法定という言葉がたまに出てきます。
法定担保物権、法定地上権、など聞いたことがあるのではないでしょうか。
法定だから、法律に規定されているものだろ、と考えるのが普通です。
この考え方はあながち間違いではありません。
ただ、理解としては弱いかもしれません。
例えば、法定担保物権。
法定担保物権に分類されるものは、留置権や先取特権です。
その対にあるのが、約定担保物権で、質権や抵当権があります。
約定担保物権は当事者間での合意・約束事(特約)で成立します。
当事者間での合意・約束事を「約定」といいます。
約定担保物権も法律に規定があります。
そのため、上記の法律に規定されているものが「法定」の意味だとすれば、定義が外れたものが法律に規定されています。
では、法定担保物権の「法定」とはどういう意味なのでしょう。
また、法律に規定されているから、という理由だけでは、留置権や先取特権が何でもかんでも成立してしまいます。
留置権や先取特権が成立するには一定の条件があります。
法律に規定されているから、留置権や先取特権が発生・成立するのではなく「一定の条件を満たすことで、法律の規定によって発生・成立している」のです。
これが、「法定」の意味です。
解除にも約定解除や法定解除という言葉があります。
この両者についての違いについて説明しなさい、と言われれば、皆さんはどう説明しますか。
大野