例えば、外国の会社が設立中に日本の会社と取引をして後から、日本の会社が、設立中だったことを理由に契約解除を申し出た場合、どこの法律で判断すべきでしょうか?
設立の問題は会社の従属性によります。従属性はどう判断するかという法律は日本ではないため、日本の民法、会社法等の規定との整合性から判断して設立準拠法によるべきと考えます。
設立準拠法とは法人設立をした国の法律でその法人に関しては判断していくということになります。
会社が仮に韓国で設立しているとしたら、韓国法で判断することになります。例えば日本と取引をしても韓国法ということになります。
では、設立中の会社の代表者が取引をした場合、その取引の効果は会社に帰属するかが問題となります。
従属法の適用範囲は相手方の取引安全の要請からも判断すべきです。まずは原則、従属国の法律の適用がありますから韓国法です。しかし、韓国法と、日本法で設立中の会社の能力の範囲に違いがあり、取引の安全が害される場合は通則法4条2項を類推適用して行為地である日本法上会社の代表権の範囲に含まれるときは日本法の適用となる。
行政書士 西本