ルールは何のためにあるのか。例えば、誰も人を騙さないなら詐欺は犯罪にはなりえない。誰もが人の物を勝手に盗らないなら窃盗も犯罪になり得ない。

人が自由に行動するとその自由が時に誰かを傷つける。傷つけられる人はどこにその矛先を向ければよいのかわからない。そこでルールを設ける。人を騙すという自由は認めない。人の物を勝手に盗るという自由は認めない。

そうやって個人の自由を制限している。そこには、消極的な平和に生活をただ送りたいという自由を守るという価値観がある。詐欺をする自由より平和に生活する自由を取る。それがルール作りだという。

しかし世界最大の犯罪はルールを作る側の人間が起こす。この瞬間、平和に生活する自由より価値があるものがあるかのように。

西本