DNARとは、「DO NOT ATTEMPT RESUSCITATION」の略で、終末期医療において心肺停止状態になった時に二次心肺蘇生措置を行わないことを意味します。
「蘇生措置拒否」という意味です。これには施設での容態の急変時にどのような処置をするか、しないかの承諾書を患者様から取っておく必要があります。

人の終末期というのはケースによって様々ですが、現代の医療ではこれ以上は長く生存できない、生存できたとしても数日か2,3週間程度といった場面がまさに終末期といいます。

この終末期に本人の意志がはっきりした状態でしかも正常な判断を的確にするということは稀だと思います。意識がはっきりしているときに口頭で「延命処置はしないでほしい」と言われる方はたくさんいますが、いざそうなった場合に書面に残していないとその意志が本当にあったのかということを証明することができなくなります。

書面の作成のプロ、そして医療のプロ、そして何よりご本人とご家族が一緒になって時間をかけて作成するのがこのDNAR同意書です。作成は心の痛む作業でもありますが、ご本人、ご家族と向き合い心の負担を少しでも取り除ければと思います。

西本