処分権主義は何を訴えるのかというには当事者が決めてよいということであります。既判力というのは一度訴えたのであれば、そこで判決の蒸し返しはできませんよということです。

そうなりますと、例えば、100万円を借りている人が100万円は借りている、でも200万円までは借りていないというタイプの訴えの場合、200万円のうち100万円は自ら借りていることを認めている訳です。この場合の訴訟物(何を訴えているのか)は何か、という問題があります。

100万円は認めているので100万円以上200万円以下という範囲の債務があるかないかということが裁判で争われることになります。

よって、債務は70万ですという判決を出すことは処分権主義に反しますのでこういう判決は出せません。

また仮に120万ですという判決であれば原告からすれば100万以上200万円以下に収まっているので一部敗訴ということになります。

よってこの範囲に既判力が生じるので、後の裁判でやっぱり100万も債務ないですということを訴えること可能です。

行政書士 西本