法律を「存在目的」から見る論文思考法
法律はそれぞれ、社会の特定の問題を解決するために作られています。
論文問題も多くの場合、その制度目的が衝突する場面を問うています。
したがって、各科目を次のように理解しておくと答案が書きやすくなります。
憲法
「国家権力をコントロールする法律」
憲法は基本的に
国家権力が暴走しないようにするための法律
です。
近代憲法の核心は
- 国家は強い権力を持つ
- だからこそ人権で縛る
という発想です。
論文では基本的に
国家の行為が人権を侵害していないか
を検討することになります。
つまり憲法の問題は多くの場合
- 国家権力
VS - 個人の自由
という構図になります。
民法
「人と人の財産関係を整理する法律」
民法は簡単に言えば
社会で発生する財産トラブルを整理する法律
です。
典型的な構造は
- 債権が発生する
- 債務者に請求する
- 履行されなければ強制執行
という流れです。
したがって民法の論文は基本的に
誰が誰に何を請求できるのか
という形になります。
例えば
- 売買契約
- 不法行為
- 不当利得
すべて最終的には
「お金を請求できるか」
という問題に収束します。
刑法
「国家が人を処罰してよい範囲を決める法律」
刑法の本質は
国家の刑罰権の限界を決めること
です。
国家は人を
- 逮捕できる
- 懲役にできる
- 財産を奪える
という非常に強い力を持っています。
だからこそ刑法では
どんな行為なら処罰してよいのか
を厳密に定めています。
論文では
- 犯罪成立要件
- 正当防衛
- 故意
などを検討しますが、すべて
国家が処罰してよいか
という問題です。
行政法
「行政権の行使をコントロールする法律」
行政法は
行政が国民に対してどこまで介入できるか
を整理する法律です。
行政は
- 許可
- 命令
- 免許
- 取消
など、強い権限を持っています。
しかしこれが自由に行われると
恣意的な行政になります。
そのため行政法では
- 処分性
- 原告適格
- 裁量逸脱
などを通じて
行政の行為が適法か
を判断します。
民事訴訟法
「民事紛争を最終的に終わらせる法律」
民事訴訟法の核心は
紛争を確定的に終わらせること
です。
もし裁判で勝っても
何度も同じ訴訟が起こせるなら
紛争は永遠に終わりません。
そこで重要なのが
既判力
です。
既判力とは
確定判決の内容は蒸し返せない
という効力です。
したがって民訴の論文は
- 既判力の範囲
- 当事者
- 請求
などを通じて
紛争の蒸し返しを防ぐ
という視点で整理できます。
刑事訴訟法
「国家の刑罰手続きをコントロールする法律」
刑訴の本質は
国家が人を処罰する手続をコントロールすること
です。
刑罰は非常に強力なので
- 違法捜査
- 強制取調べ
- 自白強要
などを防ぐ必要があります。
そのため刑訴では
- 令状主義
- 黙秘権
- 違法収集証拠排除
などが問題になります。
つまり刑訴の論文は
適正手続が守られているか
という視点になります。
会社法
「会社という組織を安全に運営する法律」
会社は
- 株主
- 取締役
- 債権者
など多くの利害関係者が存在します。
そのため会社法は
会社という組織を安全に運営するための法律
です。
主なテーマは
- 機関の権限
- 手続の適法性
- 取締役の責任
などです。
論文では
会社の意思決定が適法か
という視点が重要になります。
まとめ(法律の本質)
法律を一言で整理すると次のようになります。
| 法律 | 存在目的 |
|---|---|
| 憲法 | 国家権力を制限する |
| 民法 | 私人間の財産関係を整理 |
| 刑法 | 国家の処罰権を限定 |
| 行政法 | 行政権の行使をコントロール |
| 民事訴訟法 | 紛争を確定的に終わらせる |
| 刑事訴訟法 | 刑罰手続の適正を確保 |
| 会社法 | 会社組織を適正に運営 |
このように
「この法律は何を防ぐためにあるのか」
という視点を持つと、論文問題の理解が非常に速くなります。
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感情や立場の違いが関わる問題は、早めに整理しておくことで 将来のトラブルを防げる場合があります。
大野