遺言チェックリストに1つでも不安があれば、どうすればいい?― 遺言書を「確実に活かす」ための現実的な選択肢 ―
いくつかのサイトを見ていると、遺言の有効性についてチェックリストなるものがあります。
当事務所のブログでも設けています。
そのリストをチェックして以下のようなことを思ったことありませんか?
「チェックリストを見てみたけれど、正直いくつか自信がない」
遺言書の作成を考える方の多くが、実はこの段階で立ち止まります。
結論から言えば、
不安が1つでもある場合、そのままにしておくのはおすすめできません。
なぜなら、遺言書は
問題が起きてから修正することができない書類だからです。
目次
なぜ「1つの不安」が致命的になり得るのか
遺言書は、次のような特徴を持っています。
- 相続開始後(=本人死亡後)に初めて効力が問題になる
- 本人が説明・補足することができない
- 相続人間の利害が真正面からぶつかる
つまり、
小さな不備や曖昧さが、相続トラブルの引き金になるのです。
不安がある場合の選択肢①
「そのまま自分で作り切る」
「多少不安はあるけれど、自分で書き切る」という選択です。
向いている人
- 財産が少ない・単純
- 相続人が少なく、関係が良好
- 内容が定型的
注意点
- 形式不備のリスクは自己責任
- 後から無効になっても修正できない(亡くなってますからね)
「不安が1つもない」場合のみ、現実的な選択肢と言えます。
不安がある場合の選択肢②
「作成した遺言書を専門家にチェックしてもらう」
すでに作成した、または作成途中の遺言書を、専門家に確認してもらう方法です。
✔ メリット
- 無効リスクを事前に把握できる
- 表現の曖昧さを修正できる
- 作り直しが必要か判断できる
✔ よくある相談内容
- この表現で大丈夫か
- 日付や押印は問題ないか
- 公正証書にすべきか
「ゼロから依頼するほどではないが、不安を消したい」方に適しています。
不安がある場合の選択肢③
「公正証書遺言に切り替える」
形式不備のリスクを根本から排除したい場合の選択です。
✔ 特徴
- 公証人が作成に関与
- 原本は公証役場で保管
- 無効になる可能性が極めて低い
向いている人
- 確実性を最優先したい
- 相続人間で争いが起きそう
- 判断能力について後で争われる可能性がある
費用はかかりますが、
「安心を買う」という意味では最も確実な方法です。
不安がある場合の選択肢④
「そもそも遺言書が必要かを再整理する」
チェックリストを通じて、
- 本当に遺言書が必要なのか
- どこまで書くべきなのか
- 何を優先したいのか
を整理し直すことも重要です。
遺言書は「書くこと」よりも、
**「何を決めておくか」**の方が大切な場合もあります。
専門家に相談するタイミングは「不安を感じた瞬間」
多くの方が、
- ほぼ完成してから
- 相続が近いと感じてから
相談しがちですが、
実務上は**「少しでも引っかかった時」**が最適なタイミングです。
「書いたこと」より「使えること」が大切です
遺言書は、
- 書いたかどうか
ではなく - 実際に使えるかどうか
で価値が決まります。
チェックリストに1つでも不安があれば、
それは「失敗を防ぐサイン」と考えてください。
まとめ
- 遺言書は後から直せない
- 小さな不安が大きなトラブルになる
- 不安があれば、確認・修正・切り替えが可能
「まだ大丈夫」と思っているうちに整えておくことが、家族の負担を減らす最善策です。
大野