契約書の印鑑ってどうすればいいの?
種類・押し方・どの印鑑を使うべきかをわかりやすく解説
契約書を作成するとき、
「印鑑って必要?」
「実印じゃないとダメ?」
「押し方を間違えると無効になる?」
といった疑問を持つ方は少なくありません。
結論から言うと、契約書は“印鑑がなくても有効”な場合も多いですが、
印鑑の種類や押し方によって、トラブル時の強さが大きく変わります。
この記事では、
- 契約書に使う印鑑の種類
- 正しい押し方(割印・契印など)
- どの場面でどの印鑑を使うべきか
を、法律の専門家の視点からわかりやすく解説します。
そもそも契約書に印鑑は必要?
印鑑がなくても契約は成立する?
法律上、契約は
「申込み」と「承諾」が合致すれば成立します。
つまり、
- 口約束
- メール
- チャット
でも、理屈の上では契約は成立します。
しかし問題は、後から「言った・言わない」になることです。
印鑑の役割は「証拠力」
契約書に印鑑を押す最大の意味は、
「この内容に合意した」という証拠を強めることです。
特にトラブルになった場合、
- 誰が
- いつ
- どんな内容に同意したのか
を証明する材料になります。
契約書で使われる印鑑の種類
① 実印
- 市区町村に印鑑登録している印鑑
- 最も強い証拠力
使われる場面
- 不動産売買
- 高額な契約
- 重要な長期契約
👉 個人の重要契約向け
② 認印
- 印鑑登録していない一般的な印鑑
- 三文判も含まれる
使われる場面
- 業務委託契約
- 売買契約
- 一般的な取引契約
👉 日常的な契約で最も多く使われます
③ 銀行印
- 銀行届出用の印鑑
- 契約書には原則使わない
👉 契約用と併用するのは避けた方が安全
④ 会社の印鑑(法人の場合)
- 代表者印(実印)
- 角印(社印)
重要度の目安
- 重要契約 → 代表者印
- 一般契約 → 角印
※会社規模・内部規程によって異なります
どの印鑑で押すべき?【ケース別】
| 契約内容 | 推奨される印鑑 |
|---|---|
| 高額・長期・解約リスク大 | 実印 |
| 一般的な業務委託 | 認印 |
| 法人の重要契約 | 代表者印 |
| 見積書・覚書 | 認印または角印 |
「どれでもいい」ではなく、契約の重さに合わせて選ぶのがポイントです。
契約書の正しい印鑑の押し方
① 署名・記名押印
- 署名:自分で名前を書く
- 記名押印:印字された名前+印鑑
👉 証拠力が高いのは「署名」
② 割印(わりいん)
契約書が2通以上ある場合に使用します。
- 契約書同士にまたがるように押す
- 「同一内容の契約書である」ことを証明
③ 契印(けいいん)
- 複数ページの契約書で使用
- ページのつなぎ目に押す
👉 ページの差し替え防止が目的
④ 捨印(すていん)
- 軽微な修正を認めるための印鑑
- 契約書本文の余白に押す
⚠ 内容を勝手に直されるリスクがあるため、安易に押さないこと
よくある誤解・注意点
Q. シャチハタでもいい?
→ 原則NG
理由:
- インクが消える
- 個体差があり特定性が低い
重要な契約では避けましょう。
Q. 印鑑を押さないと無効?
→ 無効ではありません
ただし、
- 相手が「自分は同意していない」と主張
- 契約の存在自体が争われる
といったリスクが高まります。
Q. 電子契約なら印鑑はいらない?
→ 不要です
電子署名・タイムスタンプによって、
紙+印鑑と同等の証拠力を持たせることができます。
契約書は「印鑑」より「中身」が重要
印鑑は大切ですが、
もっと重要なのは契約書の内容そのものです。
- 曖昧な表現
- 一方的に不利な条項
- 解約条件が不明確
こうした点を放置したまま印鑑を押すことが、
最も危険です。
不安な契約書は専門家に確認を
「この印鑑でいいのか」
「そもそもこの契約内容で大丈夫か」
そう感じたときは、印鑑を押す前に確認することが最大の予防策です。
契約書は、
トラブルが起きてからではなく、押す前に整えるものです。
大野