【解説】遺言書とエンディングノートの違いとは?どちらを用意すべきか迷っている方へ

目次

はじめに:遺言書とエンディングノートの違いを知っていますか?

人生の最期を見据えて「遺言書」や「エンディングノート」を準備しようと考える方が増えています。
しかし、「遺言書とエンディングノートって何が違うの?」
という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?

この記事では、遺言書とエンディングノートの明確な違いと、それぞれどんな人に向いているのかについて、専門的な視点からわかりやすく解説します。

遺言書とは?【法的効力がある文書】

遺言書の定義と特徴

  • 法的に認められた文書で、亡くなった後に財産の分配や相続の方法を明確に指定できる。
  • 民法に則った形式(自筆証書、公正証書など)で作成する必要がある。
  • 家族間のトラブル回避や、希望通りの相続を実現する手段として有効。

遺言書のメリット

  • 相続トラブルの防止
  • 特定の人への財産分与が可能
  • 介護してくれた子供への配慮など、意思を反映しやすい

遺言書の注意点

  • 法的な書式や証人の要件を満たさないと無効になることがある
  • 専門家(弁護士、行政書士、司法書士)に相談するのがおすすめ

エンディングノートとは?【気持ちや想いを伝えるためのノート】

エンディングノートの定義と特徴

  • 自由な形式で書ける私的な記録帳
  • 法的効力はない
  • 主に、自分の死後に家族に伝えたい想いや、葬儀・医療・財産情報などを記載する

エンディングノートの内容例

  • 医療・介護の希望(延命治療の有無など)
  • 葬儀・お墓についての希望
  • 銀行口座・保険・資産の一覧
  • 家族へのメッセージ
  • ペットの世話について など

エンディングノートのメリット

  • 気軽に始められる
  • 家族が困らないように情報を整理できる
  • 自分の想いを言葉で残せる

遺言書とエンディングノートの違いを表で比較

項目遺言書エンディングノート
法的効力あり(正式な手続きが必要)なし
作成の自由度法律に則った形式が必要自由に記載可能
主な目的財産の分配・相続の指定家族への想いや情報の共有
必要な場面相続トラブル防止、特定の人へ財産を渡したい場合死後の希望、連絡先、メッセージの整理
専門家の関与望ましい(弁護士・公証人など)必須ではない

どんな人がどちらを書くべきか?

遺言書を書くべき人の例

  • 財産を特定の人に残したい(例:内縁の妻、介護してくれた子ども)
  • 子どもが複数人いて相続トラブルが不安
  • 相続税対策を考えている
  • 会社経営者・自営業者で事業承継を考えている

法的な拘束力が必要な人は、遺言書が必須です。

エンディングノートを書くべき人の例

  • 家族に迷惑をかけたくないという想いが強い
  • 介護や延命治療の希望を伝えたい
  • 葬儀や供養の希望を書き残したい
  • 銀行口座やネットのIDなどを一覧化しておきたい

「伝えたいこと」が多い人は、エンディングノートが有効です。

両方を用意するのがベスト

実際には、遺言書とエンディングノートの両方を用意することをおすすめします。

  • 遺言書で法律的な問題をカバーし、
  • エンディングノートで気持ちや希望を家族に伝える

この組み合わせで、残された家族が安心して手続きを進められます。

まとめ:人生の終末に向けて、今できる準備を

遺言書とエンディングノートにはそれぞれ役割があります。
**「何を、誰に、どう伝えたいか」**によって、どちらが必要かが変わります。

  • 法的にしっかり準備したい方は遺言書を
  • 家族への想いや情報を残したい方はエンディングノートを

そして、もし迷っているなら両方をバランスよく活用するのが理想です。

よくある質問(FAQ)

Q1. エンディングノートだけではダメですか?

A. 法的効力がないため、財産の相続などは希望通りに実現されない可能性があります。重要な内容は遺言書で残しましょう。

Q2. 遺言書はいつ書くべき?

A. 60代以降に書き始める人が多いですが、病気や事故はいつ起こるか分かりません。元気なうちに準備しておくのが理想です。

Q3. 書いた遺言書やエンディングノートはどこに保管すればいい?

A. 遺言書は公正証書なら公証役場が保管。自筆証書の場合は法務局の保管制度を利用できます。エンディングノートは家族に存在を伝えて、わかりやすい場所に保管を。

最後に

今、あなたが「何か残しておきたい」と思ったその気持ちが、家族にとって大きな支えになります。
遺言書とエンディングノートを正しく理解し、あなたらしい“終活”を始めてみましょう。

遺言書の作成にご興味がある方は、遺言書作成サポートページもご覧ください。

大野

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