外国人が日本に入国する場合、出入国手続きを経なければなりません。
日本国籍を有しない外国人(無国籍者を含む。)が我が国に入国する場合、有効な旅券で、原則として海外にある日本国大使館等で取得した査証(ビザ)を受けたものを所持した上で、出入国港において、入国審査官に対し上陸の申請をして、上陸許可の証印を受けなければならない。また、我が国から出国する場合は、出国の確認を受けなければならない。 上陸審査の結果、旅券や査証が偽変造されたものであるなど有効とはいえない場合、我が国において行う予定であると申請された活動が虚偽であると認められる場合、過去に麻薬等の犯罪で刑に処せられたことがあるなど入管法(第5条)に列挙された上陸拒否事由に該当する場合などは、我が国への上陸を拒否される。 |
この上陸拒否事由は、我が国の安全・安心を脅かす外国人の上陸を禁止する目的で定められたものです。
審査手続き
外国人が日本への上陸申請を行った場合、入国審査官は審査を行います。
入国審査官は、外国人から上陸の申請があり、当該外国人(特別永住者等を除く。)が個人識別情報(指紋及び顔写真)の提供義務を履行(入管法第6条第3項)したときは、当該外国人が上陸のための条件(①有効な旅券を所持すること、②査証が免除されている場合を除き、当該旅券に有効な査証を受けていること、③我が国において行う予定であると申請された活動が虚偽のものでなく、入管法別表に掲げる在留資格のいずれかに該当し、かつ、一部の在留資格については上陸基準省令で定める上陸許可基準に適合すること、④申請された在留期間が法務省令の規定に適合すること、⑤上陸拒否事由に該当しないこと)(入管法第7条第1項)に適合するか否かを審査し、これらの上陸のための条件に適合していると認定したときは、在留資格・在留期間を決定し、その所持する旅券に上陸許可の証印(入管法第9条第1項)を行うこととなる。 この上陸審査時における個人識別情報(指紋及び顔写真)の提供については、2006年の入管法改正により義務付けられたものである(2007年11月20日施行)。 |
つまり、以下を審査されます。
①有効なパスポートを持っていること
②有効な査証を持っていること(査証が免除されている場合は除く)
③申請した日本での活動内容が虚偽ではなく、法律に定められている在留資格のいずれかに該当し、かつ一部については求められている基準に適合していること
④申請した在留期間が省令の規定に適合していること
⑤上陸拒否事由に該当しないこと(違法なものを持ってないか、犯罪者ではないかなどです)
これにクリアできれば、在留資格、在留期間が決定され、入国できます。

入国事前審査
査証免除国の人であれば、上陸申請時に査証は不要となります。
ただ、長期滞在を希望する場合には査証が必要となります。
査証の発給は外務省の所掌事務となります。
しかし、上陸の審査をするのは法務省の所掌事務です。
すなわち、査証の発給は出入国と密接な関係にあります。
外国人の入国に関して外務省と法務省は連絡調整をすることとなっており、外国人に査証の発給を求められた外務省は法務省と協議、連絡し、査証の発給をしてもよいと法務省から回答されるまで査証は発給しません。
外務省から連絡を受けた後に、法務省が在留資格に該当するか、上陸許可基準に適合するかどうかを審査するため、相当の日数を要します。
外国人
(査証の発給申請)↓ ↑(査証の発給)
日本大使館
(この人大丈夫ですか)↓ ↑(大丈夫です)
法務省
(大丈夫かどうか立証して)↓ ↑(書類で立証)
在日の協力者
そこで、短期滞在の在留資格など外務省(在外公館)限りで査証を発給できるものを除いて、入国審査手続きの簡易・迅速化を目的とした制度を設けています。
それが「在留資格認定証明書」です。
外国人(代理人) 日本大使館
②(査証の発給申請)→
←(査証の発給)
①(在留資格認定証明書交付申請)↓ ↑(交付)
入管
外国人本人またはその代理人があらかじめ「日本国内」でその交付申請を行い、その外国人に在留資格の該当性があるか、上陸許可基準の適合性が認められるかを「事前に」審査し、認められると判断された場合には、在留資格認定証明書が交付されます。
そして、これを受取った外国人は、本国の日本大使館へ在留資格認定証明書と共に査証の発給を求めると、すぐに査証が発給されます。
それは在留資格認定証明書が「査証の発給をしても問題ない」という法務省の回答となっているからです。
ただ、在留資格認定証明書をとっているからといって確実に査証が下りるとは限りませんのでご注意ください。
そして、査証の発給をされれば、パスポートと査証、在留資格認定証明書をもって来日をします。
この場合、上陸審査は以下となります。
有効なパスポートを持っているか
有効な査証を持っているか
上陸拒否事由に該当していないか
在留資格認定証明書の交付を受けていることから、在留資格に関しては原則として審査されません。
南本町行政書士事務所