何か資格を取ろうと考えた際、受験資格があるものと受験資格がないものがあります。
例えば、
学歴制限:大学卒業以上など、一定の学歴を要求される場合
年齢制限:20歳以上36歳以下など、年齢が設定されている場合
実務経験制限:ある分野での実務経験を積んでいることが要求される場合
試験合格:特定の試験に合格していなければならない場合
これはなぜでしょう?門戸を広げればいいのに。と思うことがありますが、考えられる理由としては以下ではないでしょうか。
①公共性、公益性のため
資格といっても様々ですが、受験制限があるのは公益的な資格のものが多いのではないでしょうか。
医者、看護師、薬剤師など人の生命にかかわる、弁護士は人の財産に関わりますから、一定レベルの人である必要があります。
そのため、学歴を求めたり、特定の試験合格を求めたりしているのでしょう。
②知識の担保
資格に合格するためには知識や技術が必要となります。それを習得するためには一定の教育や訓練が必要です。
学歴を求め、特定の試験合格を求めることにより、これが担保できます。
③職業の安定
多くの人が資格を得てしまうと、それはそれでいいことなのですが、同じ職業の人が増えてしまうと、価格競争などに陥り、資格保有者の生活ができなくなるおそれがあります。
それを回避するために、資格取得のためのハードルを上げ、職業の安定を図るために受験制限が設けられている場合も考えられます。
また、資格を取得し実務経験を積ませることが前提となっている資格では、年齢による制限も設けられている場合もあります。
年齢により体は衰え動かくなりますし、実務経験を積んで一人前になった時に稼働時間が短いとなると社会貢献への時間が短くなってしまいます。
そのため、年齢による制限を設けたりもしているでしょう。
なお、受験制限がないから資格だからと言って、公益性がない、知識が担保されていないということではありません。
資格の試験に合格している以上、勉強等を頑張ってきた証であります。
あくまで、受験資格が求められる、受験制限がある理由について考えてみただけですので、誤解しないようお願いします。
行政書士試験は受験資格は特にありません。誰でも受験することができます。
様々な人が行政書士試験に挑戦し、行政書士の資格を取得することは、多角的な視点で国民の権利を守り、また、より良い行政サービスの提供につながるものであると考えられているためです。
大野