法律を勉強していると、格言を時々耳にします。
例えば、「権利の上に眠るものは保護せず。」というものを聞いたことがあると思います。
この格言は時効について勉強していると必ず耳にします。
100万円をAがBに貸したが、Aはそのことを忘れてしまい15年が経過していました。
ふと、AはBにお金を貸したことを思い出します。
AはBにお金を返せといいますが、Bは返してくれない。
Aは取立てることができるのか。
というような問題が出てきた場合、無理だろうと考えるのか、何か手段がないかを考えるのか、その根拠が法律にあるのかを考えます。
無理だろうと考える人は時効を、何か手段があるのではと考える人は時効の更新(中断)があったかどうかを検討します。
時効が成立している場合、AはBからお金を返してもらえません。
それは権利の上に眠っていたから。
もっともな意見だと思います。
それを法律として規定しているのが、民法の時効の規定です。
権利を適切に行使したけど返してもらえていない、権利があることを相手に認めさせているなど、適切な行動を行っていた人に対しては、民法は保護規定をきちんとおいています。
それが時効の更新(中断)などです。
法律の世界でも努力した人にはそれ相応の保護規定を設け、怠けている人は保護しないという一例です。
大野