日本の刑法は、人の命の危険性が広がるような罪はとても重く処罰する傾向にあります。

放火罪(刑法108条以下)はまさにそれです。

放火罪の成立には、建物などを焼損したことが必要になります。燃やしたということですね。ではどこから燃えたというのかが問題となります。

先ほど言った通り被害の広がりを処罰対象としていることから、放火罪においては自分の建物などを燃やしたとしても成立します。

これを公共的危険を重視していると言います。

そこで延焼の危険等を考えて(つまり広がりを考えて)焼損とは火が媒介物を離れて、目的物が独立して燃焼を継続しうる状態になったことをいいます。

新聞紙に火をつけただけではまだ既遂ではありませんが、家にその新聞紙をくっつけてしばらくして新聞紙から家のどこかに火が燃え移った状態といったところですね。

行政書士 西本