債務不履行とは、債務者が正当な理由がないにも関わらず、債務の本旨に従った履行をしないことをいいます(415条)。
例えば、車を買ったけど納車されない場合、本を買ったけど、破れていた場合などのように、契約で決まった内容のものを手に入れることができなかった場合に、債務不履行となります。
債務不履行には3種類あり、それが履行遅滞、履行不能、不完全履行といいます。
それぞれ、債務の本旨(つまり契約の内容通り)に従っていないですね。例えば、履行遅滞は納期に遅れた、履行不能は壊れて使えない、不完全履行は当初の機能をすべて網羅してない、となりますから買った人としては何か文句を言いたくなります。
要件は、履行遅滞の場合には、履行期を過ぎたこと、履行が可能であること、債務者の責めに帰すべき事由に基づくこと、履行遅滞が違法であること、
となります。要は、債務不履行と認められたら、相手方(買った人)からは損害賠償請求されてしましますから、ただ遅れた、というだけでは成立しません。
ここでいう最後の要件の履行遅滞が違法であることというのは、相手方が同時履行の抗弁権を主張できないことを言います。これはつまり、車の納車が債務としてこれを納期に遅れたとします。すると、直ちに損害賠償請求を買主ができるかといいますとそれはできないということです。相手方に支払いをするなり、履行をしてからまず相手方の同時履行を奪ってからでないと主張できません。
履行不能と、不完全履行は履行遅滞の要件から履行期を過ぎたことを除き、履行が不能なこと、不完全な履行であることという要件になります。
ここでの単体の論点はあまり考えずにここまでの要件と、効果(損害賠償請求ができる)ということを押さえておいてください。
行政書士 西本