現在日本では、ネットの普及とともにLGBT(性的少数者)の当事者に対しての理解が広がりつつあります。今回はそのようなLGBTの方の相続問題について取り上げたいと思います。

○婚姻について

まず憲法24条では両性の合意という文言となっているため、現在の憲法のもとでは同性婚は法律的には認められていません。しかし、法律で禁止しているわけでもありませんので、今後はわかりません。しかし、現在は認められていません。

○相続について

相続については、法律的な婚姻でない以上、配偶者として相続することはできません(民法890条)。

また、お子さんでもないため、法定相続はできないことになります。

そこでLBGTの方がお二人でマンションなどを購入された場合などについて、相続させるためには、遺言を残しておくことが有効になります。

例えば、男性お二人のカップルの場合(仮にAさんとBさんとしておきます)

Aさんがお亡くなりになると、Aさんにお子さんがいない場合、その両親次にご兄弟が相続人となります。

そこで遺言を残しておくと、パートナーの方に財産が遺贈されます。もちろん、遺留分(生活していくための最低限度のお金の配分)がご両親にはあるので(民法1042条1項1号)その問題はあるにせよ、パートナーに財産を残しておくことができます。

遺言以外の方法ですと、特別縁故者による請求を検討してくことになります。

特別縁故者とは、お亡くなりになった方に尽くした方が相続財産から一部もらえるとする制度です。これについては、相続開始できることを知った時から、動くことになりますので、少し面倒な手続きにはなります。

いずれにせよ、遺言を残しておくことは有効なアプローチかと思います。

弊所ではこのようなLGBTの方の遺言書作成のお手伝いもいたしております。今は必要ないといった方でも、お気軽にご相談ください。

西本