従来からの債権者代位権の適用場面は原則的に金銭的財産の回復を目的としていた。

しかし、判例理論で、それ以外の場面に一定の要件下で認めていたものを今回の改正で条文化したということである。

本項では、その転用場面のうち登記請求権の代位請求を扱う。

例えば、Aが所有している不動産(仮に建物とする)をBが購入しそれをBがCに転売したとしよう。

このケースで登記が未だA名義だった場合に、Cとしては早く自分名義に登記を移転してほしいと考える。しかし、登記は買主単独では移せないのでBにまずAからBに対し登記を移しその後Cに移すよう主張したいところである。しかし、Bがいつまで経っても登記移転請求を行使しない。

そこでBからAに対する登記移転請求をCが代わりに行使する、これが債権者代位権の転用である。

これが新423条の7に規定された。

西本