これは、そもそも新しい法律です。債務不履行であっても不法行為であっても共に債権です。そしてこの債権は両者とも人の生命や身体を侵害して発生することはあり得ます。

例えば、医療行為は準委任契約ですが(新656条)、これで債務不履行(通常医療従事者に期待されるであろう行動をその医療従事者の故意、過失により取らなかった場合)が発生したら、まさに人の生命、身体に対する損害ですよね。また、車で人を轢いてしまえば当然不法行為と言うことになります。

この時、損害賠償請求権という債権が両者とも発生しますが、その消滅時効について改正前は人の生命身体に対する場合とそうでない場合を区別していませんでした。

今回の改正ではここを区別されていて、債務不履行の場合で人の生命身体に関係する場合には、時効20年(新167条)で不法行為の場合には5年です(新724条の2)。

重要な保護法益であるので時効期間を長くし被害者保護を図ったということですね。

西本