改正前の724条は「不法行為による損害賠償請求権は、①被害者又は法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しない時は、時効によって消滅する。②不法行為の時から20年間が経過した時も同様とする」としていました。

この②については除斥期間とされていました(被害者又は法定代理人の意思に関わらず、不法行為の時から20年経過すれば損害賠償請求権は消滅するという概念)。これが新724条では①と②を又はでつなぎ、両方とも消滅時効としました。

除斥期間と言う概念は当事者の援用を待たず裁判所が判断できる、また時効の中断という概念がないという点において、被害者に酷と言われていました。

例えば、損害賠償請求権を原告が行使しているのに、裁判所が期間の計算をした結果職権で権利消滅と認定できると酷ですよね。また、時効の中断がされないということは、例えば、原告側がとりあえず時効の進行を振り出しに戻したくて加害者を見つけ出し時効中断事由に「裁判上の請求」(新147条1項1号)をしたとしても、時効は中断せず(新法下では更新)そのまま20年経過したら原告はもう加害者に損害賠償請求を行使できないとなっていました。これが新法では20年のものも消滅時効と言う概念ですので裁判上の請求をすれば当然時効も中断されます。

西本

内容はほぼ同じですが、新724条では