改正前の民法では、制限行為能力者であっても代理人になれるとなっていました。今回の改正でもそこは変わらないのですが、改正後民法102条では但し書きで、制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為については、この限りでないと規定されました。少しわかりにくいので、ケースでお話します。

例えば、老夫婦がいます。旦那さんが痴ほう症で成年後見開始の審判を受けました。その法定代理人(成年後見人)に妻が就任します。やがて、妻も痴ほう症となった場合、その妻が夫のためにした法律行為については取り消すことが出来るということです。

他にも未成年の後見人が就任時は特に問題なかったのですが、その後痴ほう症となり成年後見開始の審判を受けたケースです。このケースもその後見人が未成年者のためにした法律行為については取り消すことが出来るということです。

ご注意を。

西本